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私は、王族専用の医務室長のナルラと申します。
これからしばらく、私が話す昔話に付き合っていただけませんか。
問いは聞きません。
強制も致しません。
私が話したいだけなのですから。
そう、これはまだ小鬼の殺人鬼が『スリーシックス』と呼ばれていた頃の話。
白鬼の白が、幾つもの『マゼンタ』で染まっていた頃の話。
昔も、今もすべては王の意のまま。
滅魔国、それは今の王が名付けた国名。
四つの都があり、一つの都に十二の町を当てはめる。
例外が一つだけある、それが、現、王が住む都。
名を王都。
王都、それは滅魔国の王族とその他の王族に関わる者のみが暮らせるテリトリー。
王族には、決められた許可証が必要で、それを持たない者はいくら本物でも王都に入ることさえ許されない場所。
許可証は、王族とその関係者しか知り得ない品で、似せて作ることなど不可能。
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