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家(篤哉)
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なんか、謎に緊張する...
――ガチャ
「ただい・・・ま」
「おかえり、あっくん。」
不覚にも固まってしまった。
いつもなら俺がドアを開けると、キッチンかリビングの辺りから「おかえり」が届く。
そりゃ、たまには飛んできて抱きついて欲しいなぁ...
とか、考えない訳じゃないよ?
考えない訳じゃないけどさ...
玄関で靴を脱いですぐのところで
床に座り込んで待ってて欲しい、なんて
思ったことないよ?!
しかも、レポート作ってるし...
「コウ?何してるの?」
「レポート。」
うん、知ってる。知ってるよ。
そうじゃなくてさ?
「なんで、そこでレポート作ってるの?」
「あっくんに早く会いたかったから。」
...俺の番は、なんっっっっってかわいいんだっ!
「コウー?なんでそんなに会いたかったの?」
おおよそ、にやけているだろう顔で問いかける。
コウはパソコンを打つ手を止めずに、無表情のまま答えた。
「聞きたいことがあって。
MiRROR(ミラー)の番の人達にも。」
なーんだ。恋しかった訳じゃないのか...。
「ん。聞いとくよ?」
コウの隣に座って、パソコンの画面を見る。
その題を見て、ついつい固まってしまった。
と、同時に一通りうち終えたコウがようやくこっちを向いた。
「あっくん、運命の番ってあると思う?」
信じてなんかいない。
だって、俺の番はコウだから。
俺には『運命の番』なんかいない。
けれど、知っていた。
『運命の番』というのは、都市伝説なんかじゃない。
本当にあるってこと。
だからこそ、答えることができなかった。
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