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晴れ、のち曇り。(幸輝)
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「おんせーーーん!!!」
色々あったけど、金曜の夜に予定通り出発して
やって来ました!温泉!!!
僕がテンションマックスではしゃぎまくるのはいつものことなんだけど
今回は珍しくあっくんもテンション高めなんだよね...
え?なんでわかったの、って?
簡単だよ...
「コーウ?お風呂入りに行くの?
ちょっとゴロゴロしよー?ね?」
「それは、いいんだけど...ね?
部屋ついたし、そろそろ手離して?」
手を離してくれない。
運転してるときも、珍しく鼻歌歌ってたし。
「楽しみだね、楽しみだね」って。
かわいいんだよ?
かわいいんだけど...
――ぎゅーー、
「あっくん、暑い。
ちょっと離れよう?」
「嫌だ。」
もうっ!!!
べたべたあっくん、ちょっとうざいっ。
好きだけどね?大好きだけどね?
――ピコパコピコン
「電話...?」
ケータイが鳴ったところで、離してくれないだろう。と、半ば諦めた僕に対して
あっくんは、あれだけ離してくれなかったのに
すぐに僕から離れて、ケータイのもとへ行く。
仕事の話だったら大変だしね。
そうじゃなかったら、帰ってきてくれるよね?
「もしもし。」
声が硬い。やっぱり仕事の話か...
「あははは、じゃ、頼む。
...あぁ、うん。...あぁ、そうだな。」
...本当に仕事の話?
電話を切ったあとも、数分間ケータイをいじって
やっと帰ってきた、と思ったら
もうべたべた甘えなかった。
――なんで?
くっつかれている間は、面倒に思っていても
離れてしまえば、むしろ心細いっていうことってよくある話でしょう?
まさにそれだよ?
...くっつきにいっちゃおうかな?!
「あーっくん?」
――ドンッ
「痛っ!」
なんで、突き飛ばすの...?
しかも結構本気で突き飛ばしたよね?
僕、軽く飛んだよ?
「あ...ごめん...」
「大丈夫、大丈夫!
ねー、あっくんお風呂いつ入る??」
一生懸命ごまかす。
頭にちらつく、『運命の番』っていう文字。
まさか、とは思うけど...
見つかった、とか?
ほら、ネットにも書いてあった。
『運命の番』が見つかると
αもΩと同様の拒絶反応が出る、と。
でも、さっきは...あんなに...
まさか、我慢してた、とか?
あっくんは、演技も上手だから。
わからない。
本当は、あの日からずっと。
あんなにもわかりきっていたあっくんのことが
こんなにもわからない。
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