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まさか...(幸輝)
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いや、そんなわけない。
ドア越しに声を聞いただけ。
なのに、どうして?
「あぁー、だめだよ。
山崎くん。
今、急患がいるから...」
「せんせ、
その、ひと...はっ
ここに...くださぃ」
「んんー、仕方ないなぁ。
山崎くーん。ヒート起こさないならいいよー」
――カラカラ
「あぁっ!!」
やばい、やばい。なにこれ。
おかしい。おかしい。
あっくん以外受け付けないはず。
なのに、こんなに。こんなに。
「ほ、しぃ...」
届かない、ってわかってても伸ばした手をその人は掴んで、僕と目を会わせる。
「はは、はじめまして。
僕は山崎遥翔。はるって呼んでね。
きみは?」
はる...さん。
捕まれた手があつい。
「山崎、言えないだろうよ。
俺が代わりに言うよ。」
遊...。
「天野幸輝。幸せに輝くって書いてこうき。
カウンセラー科2年。
番持ちだから、さわんな。」
はるさんは、遊の忠告なんか無視して
僕に笑いかける。
「そっかー。幸せに輝くかぁー。
じゃあ、ゆきちゃんって呼ぶね。」
「おいっ、離れろっ!」
痺れを切らした遊のすぐ後ろ。
汗だくのその人を見て、僕はとっさにはるさんにしがみつく。
「見つけた、コウ...」
「篤哉?!!!!」
「は...や、やだ...
吐きそぅ...」
胃の中の物が上ってくる。
「佐々木!!!
そいつだろ!!外出せ!!!!」
「篤哉っ!お前なんで来た!!」
「離せっ!コウから離れろっ!!」
あっくんが怒鳴る。
怖い。怖いし、気持ち悪い。
反射的に、はるさんのシワのないシャツを握りしめる。
離れろと、騒ぐあっくん。
絶対に離れない、側で笑顔で頭を撫でてくれるはるさん。
「ゆきちゃん。あの人、番?」
頷く。まぁ、もう捨てられるんだろうけど...
「あぁー。そっかー。
あの人のこと好きなの?」
当たり前でしょ。好きだから番なんだもん。
「ゆきちゃん。僕はキミの運命の番だよ。
僕の所においで。」
え?なんの、話。
まって、まって。だって、僕の番はあっくんなのに。
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幸輝は思った。あっくん、汗の量おかしくない?
うーん… うんー??
――ハッ!
幸「地図が読めなかったのか!!」
幸「あっくん、ありがとう…」
篤「いえいえ…」
(やっと、辿りつけた…)
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