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葛藤(篤哉)
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『もしもし、お電話代わりました。
山崎遥翔といいます。
天野くんとは同じ大学で、僕は医学科です。
彼とは今日の昼間、貴方が来る数分前に会ったばかり、
決して、今までの彼が浮気していたとかではありません。』
なんだ、なんだ。
昼とは随分様子が違うぞ。
爽やか過ぎて気色悪い...
『ところで、運命の番をご存知ですか。』
「それとなく、は。
先日、幸輝とも話したばかりですので。」
相手に見えないのをいいことに、俺は相当ゲスの顔をしているだろう。
ほら、海音みたいな...
ファンには見せられんな。
『それなら、話は早いですね。
番を解消してください。』
「は?」
電話の向こうでも、コウが騒いでいる声が聞こえる。
それはそうだ。
俺たちのことを、よく知りもしないこいつが決める権利など
どこにもない。
「何故です?」
『僕が運命の番だからです。
貴方じゃ、もう彼に触れるどころか
発情期は、会うことさえもできない。』
そんな、わけ...
『もっと言わせて頂くと
先ほど、彼が言っていた【昼間の人】とは
一体どういったご関係で?
彼は、貴方のせいで拒絶反応が酷く出た。
佐々木と約束をしていなければ...
彼の性格がもっとルーズだったならば...
彼がどうなっていたと思いますか?!』
「それは...」
『僕は、医者としても言っているんです。
お辛いのも察しますが、
しっかり考えておいてください。』
――プーッ、プーッ、プーッ、プーッ
「なん、だよ。運命って...」
なんでこんなに、運命に振り回されなきゃいけないんだ。
「...っコウ」
コウのいない家は、静かで、寒くて
広い。
たった、一人いなくなっただけ。
それでも、こんなに苦しい。
俺がどうすれば、コウが一番楽か。
頭がわかってても、行動したくない。
手放したくない。
泣いたのなんか、いつぶりだろうか。
こんな泣き方じゃなくて
...コウの妊娠とか?出産とか?
そういうので、泣きたかったよ。
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遥翔の鬼畜具合。
ほんで、篤哉くん大丈夫か...
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