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別れがキズにしみる(遥翔)
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それは、僕がまだ高校生だった時。
両親が離婚した。
両親は、二人ともがαで
父がΩと番ったのが原因だという。
それから、数ヶ月後。
母が難病だという事がわかった。
わかってからというもの、母は即入院。
余命は数週間。と言われた。
宣告通り、母は一ヶ月経たずに亡くなった。
『離婚後していようが、自分の子だから』と
父が一緒に暮らすことを提案してくれたけど
父の番であるΩがいると思うと
一緒に暮らそうとは思えなかった。
家事は全般的に苦労はしなかった。
お金も、母の貯金やら父からの援助やらで
不自由することはなかった。
一つ変わったことといえば、
ピアスを着けるようになった。
母が、ずっと身につけていた赤いピアス。
お守りとして 持っていようかとも思ったけど
着けることにした。
そして、その頃
優しいΩの後輩が、よく家に来てご飯を作ってくれた。
ただ、側にいてくれたのが嬉しかった。
好きだった。
けど、その子は次の学年に上がるときに
他県に引っ越していった。
親の転勤だそうだ。
……それから、
もう、大切な人はつくらなくなった。
みんな、急に何処かへ行ってしまうから。
それなら、母の形見のピアスさえあればいい。
そう塞ぎ込んでいた。
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