アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
求めて(幸輝)
-
あっくん?
なんで、泣いてるの…?
「くそっ!かっこ悪ぃ…。
コウの拒絶反応が凄いことなんか分かってんだよ。
抑制剤の飲み過ぎも、コウのことだからどうせぼーっとしてばかすか飲んだんだろ?!
分かってんだよ。そんな事なんか。
コウは俺の全てなんだ。
わかるに決まってんだろ。」
あっくん…
いつも笑ってたけど、本当は…すごく無理してる?
「わかってても、どうしても言いたくなんだろうが。
俺は、一番大事なものを奪われて 辛い思いして。
それでも、コウが幸せなら、って。
抑えて、抑えて 我慢して、毎日笑ってきた!
なのに!その結果 コウが苦しんでる!!!」
始めて見抜けなかったあっくんの『嘘』
「こんなの いくら運命でも、酷すぎる…
俺が、どんな思いで隠してきたか…」
「あっくん、こっち来て。」
なんでだろう。
「でも コウ…拒絶反応が」
「平気だから。こっちにきて。」
隣には、驚いた顔をしたはる。
大丈夫。大丈夫。
「コウ…」
その肩に手を回して抱きしめる。
「コウ?!!!」
「あっくん。僕だって失くしたよ。
大事にしてあったんだ。大切に大切に置いてあったんだ。
でもね、僕気づいたの。」
あーあー、せっかくのかっこいい顔がぐっしゃぐしゃになってる。
「僕らは、番だった。愛し合ってた。
あっくんを好きだった気持ちは消えない。
僕は、今でもあっくんが大事。
番じゃなくなっても 僕らは特別同士。
違う?」
「……違わない。」
「そうでしょ?
…だから、あっくんは別の人と幸せになって。」
ごめんね、僕があっくんを幸せにしてあげれなくて。
「コウ…コウっ!」
泣きじゃくってしがみついて来るあっくんの肩を優しく押す。
僕から、離れたあっくんはさっきよりもひどい顔になっていて。
「あっくん。愛してたよ。
ばいばい」
…僕は、泣いちゃダメだ。
ほら、あっくんにはちゃんと居場所がある。
愛してくれるファンがいる。
それと、仲良しの相方さん。
「篤哉。」
「かの…」
UMIさんは少し馬鹿にしたように笑う。
「かっこわりぃーなー!
おら、帰んぞ。」
そう言われて、UMIさんに体を預けるあっくんは
どこか安心したようだった。
「ゆきちゃん。もう退院できるんだって。
僕たちも帰ろう?」
笑顔で手を差し出して来る、はる。
僕は、その手を取る。
この人に一生付いて行くって覚悟も込めて。
「うん。帰る。」
頷いた。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
79 / 85