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初デート
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健太郎は眼を覚ました。
しばらくぼぅっと天井を見上げていたが、再び布団にくるまろうとする。
その時何かを思い出したらしく慌てて左腕を大きく広げて無茶苦茶に動かす。
目当ての機器に指先がかすり、掴もうとしたが半身をベッドから投げ出していたので、ぐらりとベッドから転がり落ちてしまった。
それでも携帯は離さず、ドキドキしながら電源を入れて受信フォルダを開いた。
一番最近の履歴の名前を見て、強く心臓が鳴った。奥底で鼓動に耳を澄ましながら、そのメールの内容を確認。
From 佐藤さん
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Sub 20×× 11/15 22:40
―――――――――――
起きてるか?
明日、暇ができたから
遊びに行こうぜ。
いけるなら電話かメールくれ。
返信待ってる。
―――――――――――
そっけない文章と、絵文字も顔文字なしの飾られていない本文にどうしようもなくトキメキを感じてしまう。昨夜の衝撃と狼狽と気恥ずかしさが蘇り、顔に熱が集まり始めた。
あの時は本気でパニック症状を起こしていた気がする。変な返信してないだろうか、と心配になりながらチェックしてみる。
普通の「大丈夫です」のメールに落ち込む。もっと可愛いことが言えないのか僕は。
待ち合わせ場所と時間を確認し、時計を見比べて頷く。
こうして床に転がってる時間ももったいない。
健太郎はすくりと立ち上がり、階段を駆け下りていった。
すれ違った弟から変な目で見られたが、今の健太郎にはどんな精神的攻撃は通用しない。
本日は佐藤との初デートなので、はしゃがない理由はなかった。
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