アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
、
-
『お礼に今日の夕飯は俺がご馳走しよう』
道具の神が一人で物思いに耽りそうになっていると、そのセリフだけを耳が拾った。
『あ、ああ…もちろんだ』
生憎と、好きな奴からの誘いをわざわざ断ることを俺はするつもりはない。
それに別に…これが初めてのことではないし…
俺への貸しの返しとして彼が飯をご馳走するのは常だった。
『もう今日の仕事は終わりか?』
『ああ、お前のがあるから片しておいた。お前は?』
『今日は休みなんだ。じゃあ片付けが終わったら行こうか』
彼のその言葉に同意すると、材料の屑や道具らが散らかる作業台に俺は戻った。
それらをあらかた片付けて、明日もヤル気が起きるようにセットすると、医術の神の方に向かった。
彼は俺の作った器具を確かめる様に手で弄っていた。
『終わったぞ』
『ああ、じゃあ行くか』
彼は立ち上がると雪駄を履き、先に出口から出て行った。
その後に続いて小屋を出ると、オレンジ色の空が広がっていた。
収穫期だから、高台にある小屋からは空の下が一面実をつけた米の海が広がっているように見えた。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
4 / 51