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『なんでお前がそんな不安がるのかわかんねーけど』
一世一代の告白のように俺は言ったのに、医術の神はさっきと変わらない口調で言葉を返してきた。
『それでも幸せなんじゃねーのかな』
『なんでそう言い切れるんだよ』
『だって俺たちは幸せに向かって生活してるだろ』
彼の単純明快なな答えに、俺は思考が止まった。
『周りが1つの大きな波として変わっていったとしても、自分の幸せは自分で作ることができる。何故なら幸せってのは、自分が一番知っているからだ』
『………そう、か』
『だからお前は心配しすぎなんだよ』
グシャグシャと、頭を彼の手で掻き回される。
曇っていた視界に光が差し込んだかのようだった。
『そんな事ずっと考えてたのか?』
『ああ、ちょっと…』
『全く、お前は真面目だね』
『うるさいな…』
自分が酷く恥ずかしく思えて、道具の神は医術と神とは反対の方を向いた。
視界には相変わらずいっぱいの稲穂と夕焼けが広がっていた。
ただ少しさっきよりも太陽が地平線から出ている部分が少なくなっている。
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