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忘れるのも、思い出す瞬間もまるで長い夢から醒めるようだった。
「俺のこと、思い出してくれた?」
「光彦…」
そうだ。この制服。いつも光彦が学校のある日に着ていた制服。
私が弓道を始めたきっかけだって、本当は光彦がやっているのが、羨ましくて…
ああ、全部、全部思い出した。
仲が良かった高校生の神様の親友…
「………なんで」
「君を助ける為だよ。医術の神様なんて生半可な気持ちでなれるもんじゃない。置いていけるものは、全部置いて行かなきゃいけなかった」
君のことでさえもね
「光彦」
「………それよりも、そっちの旦那さんに俺の事紹介してよ。さっきからずっと殺しそうな目をしてる」
「あ、ああ。みち、彼は光彦と言って俺の友達だ。その……信じられないかもしれないが、神様で、高校生で…」
「………俺、そういうの嫌い」
「違う、ほんとなんだ!あ、なぁ光彦あれやってくれよ、枝復活させたやつ」
「いいよ」
光彦は近くに落ちていた枝を拾うと、何か楽しそうにこちらを見てきた。
枝を握り締めると、あの時と同じ、枝が伸び始めた。
だけど今回はそれで終わりじゃなくて、伸びた枝は花が咲いて、緑の葉をつけた。長さも地面に着くぐらい伸びていた。
「すごっ」
「だろ?頑張ったんだよ、俺」
「みち、分かっただろ光彦は本当に」
「そんなの枝に再生細胞を仕掛けておけばできない話じゃない」
いい方にも、悪い方にも技術は進歩した。
運命や神といった言葉はもはやその形だけを残して使われている。
「そう。再生細胞を刺激すれば誰だって奇跡を起こせる。だけど患者本人から作る再生細胞には限界がある」
"遺伝子の病気において再生細胞が同じ障害を起こす可能性がないことはない"
「今の君たちの技術ではそれが限界だ。………奇跡はいつだって俺達が起こすんだ」
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