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「なんで、なんで、あいつなんだ」
ずっと心配ばかりかけてきた。
出会って仲良くなってから、私はみちに寿命のことを教えた。
最初は信じなかったみちも私が病院に、人より過敏に通っているのを知ってからは、辛そうに信じてくれた。
交際を申し込まれた時も、プロポーズされた時も、同じ理由で断ったけれど、それでも一緒にいるのを止めようとはしてくれなかった。
何度も、何度も怪しい時には病院に付き添ってくれて、医者からの話を二人で聞いた。
変わらない可能性を知って、君がその度に崩れ落ちそうになっていたのを知っている。
いつも私の傍らには君の哀しいぐらいの温かい愛があった。
これから一人で私の忘れ形見を育てていく覚悟をしていた君にとっては、片目を失う可能性は十分怖いことだったのだろう。
それに相手はずっと袖にされてきた自称・高校生神様だ。
「…みち、また明日二人で考えよう」
明日はまだ生きていられるから…
「………」
ソファーから立ち上がらせて、寝室まで連れていく。
先にパジャマに着替えさせて、私も手早く着替えて二人で横になった。
みちはやっぱり眠れないようで、薄く目が開いていた。
その目をそっと手で覆い隠して、目を閉じさせると涙が1つ溢れて、布団に染み込んでいった。
「おやすみ」
早く明日になればいいのに…
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