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「よぉ、待ってたぜ」
9月某日夜
治療を受けるため、光彦と再会した神社にみちと来ると、参道の真ん中に女物の着物を着た髪の長い男が立っていた。
「………あの」
彼?も光彦の関係者なのだろうか…
「俺は雅歌(がき)。今日は光彦の助手みたいなもんだ」
やっぱり…
「よろしくな」
「よろしくお願いします」
彼に続いて参道を進む。
鳥居をくぐると空気がピリッと変わった気がした。
「貴方も………神様なんですか?」
緊張感に耐えられず言葉を紡ぐと先を歩く背中から「ああ」という声が聞こえた。
「医術の?」
「いや、俺は音の神だが…光彦とは腐れ縁で何度かアイツの助手をしているから、心配しないでいい」
「音、ですか……」
八百万の神々いると言われてはいるがピンポイントの神がいることに、驚いた。
大した話も出来ないうちに神社の本殿にたどり着いてしまった。
先を歩いてた彼は正面の両開きの扉を開けようとすると、何度か止まりながらも扉が開いて、中に入って行った。
「たく、相変わらず立て付けの悪い扉だな」
本殿の中をきちんと見るのは初めてだった。
床は一面畳張りで、四方の壁には白い帳が掛かっていた。
そしてちょうど壁の中央には御帳台があり、中に神棚のようなものがある入っているのが見えた。
「光彦、お前扉いつ直すんだよ」
光彦は白い着物に白い袴を着ていた。
死装束のように見えてしまった。
「だって、中々お金が集まらなくて」
「面倒くさがってるだけじゃねぇか」
「あーもう、今度直すから!………」
光彦と目があった。
いつもの顔をしていた。
「よろしくね、2人とも」
「あぁ」
中に入ると、治療の説明をされた。
そして最後に承諾書に母印を押すよう求められた。
こういう所は人間の医者と変わらないようだ。
「それじゃあ、始めるよ」
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