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、みちside
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イチョウの葉っぱ散り始めた12月、俺のお腹はこれ以上にないほど張り詰めていた。
「あー、疲れた」
「世の中の母親は偉大だよね」
臨月に入ったが運動は必要なため、篤矢は今日仕事だから光彦に付き添ってもらっていた。
「おー、お帰りー」
コートやマフラーを脱いでいると、キッチンから気の抜けた声が聞こえた。
「あ、雅歌、来てたんだ」
「邪魔してるぜ、みち」
「どうぞ」
最近光彦だけでなく、雅歌さんも家に上がるようになった。
普段は彼らを神様だと意識はしないが、自分の家に二柱もいられるのだ思うと有り難みを通り越して、若干恐怖を感じる。
「何か飲むか?」
「俺がやりますよ」
「お前は妊夫なんだから、座ってていい。そこの神は使えないしな」
「俺だってお湯ぐらい沸かせれる」
最近知ったことだが、光彦はあまり家事が得意ではないらしい。
神様にも出来ないことがあるのだと、物凄く驚いた。
雅歌さんがいれてくれた麦茶が3つテーブルの上に並んだ。
「………そういえば、雅歌さんの神社って何処にあるんですか?」
ふと、気になった。
光彦の神社は知っているけれど、彼の神社にはいったことがなかった。
「雅歌はね、巡り神なんだよ」
「巡り神?」
「そう、全国にお社を持っているから一定の間隔で全国をめぐる神様なんだ」
「そうなんだ…」
全国か…
あれ…
「光彦は、違うよね…?」
「俺も巡り神だ」
………
そんな
「もう、会えないのか?」
「君の出産が終わったら次の土地へ行くよ」
「そんな、篤矢が悲しむよ」
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