アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
雅
-
仕事の打ち合わせ終わりに酒の席に連れられた。懇意にしている緊縛師やそのスタッフたちとの席だったので少々飲みすぎてしまい、夜風に辺りながら一駅分くらい歩こうと一人ぶらぶらしていた時だった。
なんとなく見覚えのある顔を見つけて、そっと近づいてみた。やっぱりだ。それは俺の数少ない同年代の知り合いたちで、二人は色気をぷんぷん放ちながら口づけに興じていた。
美人の葵くんと、可愛い系のマリちゃん。場所柄もあって、道行く男たちがみんな振り返って二人の可愛いキスシーンを見ていた。二人揃って拐われてしまいそうだ。
さらに距離を縮めて声をかけた。はぁはぁと呼吸の荒い葵くんの色気はまたいっそう匂い立つものがある。
「雅さん、なんでここに?」
「マリちゃんたちこそ。こんなとこでなにやってるの?二人とも、恋人はどうしちゃったの」
「ふふふ、今日はキスの日なのに、お互い恋人が忙しくて会えないから、寂しさを埋めてたんです」
「違う!俺は同意してない!」
どうやらマリちゃんが葵くんに無理矢理キスしていたらしい。全く、この子の気の多さときたら。人のことは言えないけど。
「マリちゃん、寂しいなら、俺がキスしてあげよっか」
「えっ、うそうそ、ほんとに?ほんとにほんと?」
「うん。おいで?」
わーい、とぴょんぴょん跳ねてマリちゃんが目を閉じて顔を突き出してきた。やっぱりこの子は可愛い。ふわふわ頭を撫でて、触れるだけのキスをした。
「ん、もっと、もっとすごいのがいい」
「えー......?ふふ、どうなっても知らないよ」
下唇に噛みついて、ゆっくりなぞるように舌を滑らせてから軽く吸う。マリちゃんの舌が物欲しそうに俺の上唇をちろちろと舐めてくるのが可愛くて、それを受け止めて舌で絡めた。
「ンッ、は、ふ......」
力が抜けていくマリちゃんを、さっき葵くんにしていたようにガードレールに座らせてキスを深めた。唾液を流し込んで、奥の方まで舌を挿入する。ちゅくちゅくと音をたてて、それからゆっくり銀糸を紡ぎながら唇を離した。
「あは、蕩けちゃった?」
「ふはぁ......だめ、雅さんのキスには負けちゃう......」
「葵くんも、する?」
ずっと視線を感じていた。彼も酔っているのか、以前会った時よりもぽやんとしている。手を伸ばして指先で唇をなぞれば、小さく頷いたのがわかった。
「とびっきりのキスの仕方、教えてあげるね」
綺麗な頬に手を染めて、ゆっくり唇を触れ合わせた。
「やだったら言って......」
触れるか触れないかくらいの距離でそう伝えてから、舌先で唇をゆっくりなぞった。自然に開いてくる口に気を良くして、そっと中に舌を進めた。引っ込みがちな舌を誘い出すように擽り、ちゅっちゅと軽いリップ音を響かせて徐々にキスを甘くしていく。
「ずるい。葵くん、僕だったらあんなに拒否したくせに雅さんばっかり」
「ん......ふふ、マリちゃんもまだまだだね」
「むぅ......葵くん、僕ともちゅーしてよ」
「......やだ、雅さんがいい......」
「だめ!雅さんは僕のだったのに!」
「あはは、二人とも可愛い」
そんな二人に軽いキスをもう一度してから、俺は二人に手を振った。
「またね。続きはお互い、恋人としようね」
キスで火のついた二人は、今夜どんな風に恋人とセックスするのだろうか。あるいは一人で熱をもて余すのか、二人でしちゃうのか......いずれを想像しても可愛らしくて、なんだか楽しくなってきた。
まだ雅さんといたい、というマリちゃんを置いて、俺も疼く身体を早く沈めたくて家路に急いだ。
おしまい。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
3 / 3