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真実
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「そうだな、お前は優秀なやつだ。真実を話してやろう。」
そういって王様はゆっくりと話し始めた。
確かに昔、何百年も前は魔王が世界を支配し人間は支配されていた。
しかし1度勇者が魔王を倒して以来、魔王が人間を支配するようなことはなくなっていたのだ。
人間の国は1度は平和になった。
しかし人間というのは平和になればもっともっとと欲張りになる生き物である。
今の生活に不満を持ち始め、裕福に暮らす傲慢な王族に反感を持ち始めた。
このままでは反乱が起き、王族の地位が脅かされる事だろう。
そんな時、国を嵐が襲った。
大きな嵐だった。
建物は崩れ、多くの人間が命を落とした。
この時、当時の王は閃いたのだった。
この嵐や病を魔王のせいにしてしまおう。
そうすれば国民の敵意は王族から魔族に移るだろう。
魔族が敵である限り、私達は安全なのだ、と。い
そうして今の今まで王族は国民を騙し続けてきた。
自らが王でいる為に。
「君の働きは立派だったよ。無事、魔王を捉えてくれた。…でも、それじゃダメなんだよ。魔王は生きててくれなきゃ困るんだ。捕まっていたらダメなんだよ。国民を騙せなくなるだろう?」
俺は、いや俺達は、この下衆な王様にずっと騙されていたというのか。
何の罪もない魔王を恨み、きずつけてきた。
ニーナは、何もしていなかった。
ニーナは何も悪くなかった。
悔しくて、拳を握った。
「君が魔王を倒すなんて、誤算だったよ。歴代勇者は結局魔王を倒すことは出来なかったからね。君もそうだと油断していたよ。」
そう言って王様はケラケラと笑った。
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