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「い……いちのせくん………」
「………………。」
やっとの事で返事をしたというのに一ノ瀬くんは何も返してくれなかった。ただ眉間のシワが更に深くなっただけ。
というかどうして一ノ瀬くんがこんなところにいるのだろう。たまたま、なのか。教室の前にも丁度トイレがあるからみんなそっちに行くはず。わざわざ遠い方に来る人なんてそうそういないのに。
何も喋らない彼の顔をそっと窺う。本当にわざわざこちらに来たのであれば今の僕はかなり邪魔だ。個室の前に転がっていればそりゃどいてほしい。動ける気はしないが、そのまま動かなければ更に動けなくなるほどの暴力を受けるだろう。
そんなの御免と全身に鞭を打って起き上がろうと肘をついたその時だった。
「うっ、うわっ!?」
突然首の後ろを掴まれ、まるで猫を扱う様に持ち上げられる。足が完全に浮き、一ノ瀬くんと同じ目線まで持ち上げられた。何故彼は人の首根っこを掴むのだろうか……。
「ぅぐっ…し、締まってぅ……」
なんとか抵抗しようともがく僕は、はたから見ればすごく醜いだろうがそんなことはどうでもいい。体力も残っていないというのに、このままでは本当に死んでしまいそうだ。
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