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そしていつもと違う、いや違いすぎる、もはや異常とも言える出来事はこれにとどまらず昼休みにも起こった。
僕はささっと鞄をもって教室を出ようとした。もちろん昼休みをここで過ごすことなんてない。これはいつもの事だ。
教室を出たら素早く人気のないところへ移動。今までは例の空き教室を使っていたが、もうあそこはできれば使いたくない……。
新しいところ探さないとな、と思いながら教室から一歩出ようとしたその時。
「さつき」
妙に落ち着いた声で僕の名前が呼ばれた。
親ですらあまり呼ばない、その聞き慣れない響きに一拍反応するのが遅くなってしまう。
「ぼ、ぼく……?」
不安げに振り返った先、立っていたのは同じように鞄をもった一ノ瀬くんだった。
人の名前を呼ぶだけ呼んでそれ以上口を開こうとしない彼を、身長差で仕方なく見上げる。するとぐっと眉間にシワを寄せた一ノ瀬くん。
すみませんね、平凡々の上目遣いなんてお見苦しかったですね。
慌てて顔を伏せて彼の履き潰された上履きの先を見つめる。
殴られるのだろうか。
そのまま黙っていると、
「………っ?!」
----急に腕を掴まれ、そのままどこに行くのかも分からないまま下駄箱の方へ引きずられるように引っ張っていかれた。
僕等がいなくなった教室から聞こえた、皆の悲鳴。明日は休もうかな……。
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