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手綱の先 2
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乱暴に優の服を剥ぎ取り放り投げてしまうと、正宗もシャツを脱ぎ捨てジーンズの前を開けた。
優が息を上げながらその胸板に手を伸ばすが、その前に手を掴み上げられる。
左手もまとめて頭の上で封じられ、優の目が細まった。
至極残念そうなその顔を、正宗が冷たく見下ろす。
「触んの禁止」
「…………ん、………」
悲しげに眉を下げるものの、優の目元が赤らむ。
普段底抜けに優しい正宗の冷たい表情が、優はたまらなく好きだった。
かちりと硬い音がする。
緩慢になっていた意識をそちらに向けると、既に緩く立ち上がっている優のそれの上にチューブが口を開けていた。
そのまま、冷たい液体が流される。
「んっ!……つめたい……」
「勃ってるじゃん」
「……ん、ぁ……だってー……」
「完勃ちじゃんか。ローションで」
「っふ、あ、だって……そんないっぱい、……やらしい」
ふっと笑い、飽和気味に後ろまで流れたローションごと正宗が指を挿し入れた。
細く優の声が零れ、細い腰がうねる。
正宗は鋭く舌打ちをした。
「ずいぶん使っちゃってまあ」
「んー、ごめんー……」
優の瞳は既に潤んでいる。
それは正宗への謝罪の念からではもちろん無くーー
既に快楽に酔っているから。
鋭い視線で、それでも食い入るようにその優の痴態を眺めつつ、正宗は優の胸の膨らみを口に含む。
強く噛んでやると優の背中が跳ねた。
噛んでは吸い、慰めるように舐めてやると優は狂ったように啼く。
その声と優の内部を掻き回す粘ついた音がまるで堕落しきった音楽だった。
既に濡れきっている優のそれが更にとろとろと先走りを零すと、正宗は指を抜き胸への愛撫もやめた。
「んっ!」
「いきそう?」
「うん…………」
小さく頷き、激しく呼吸をしながら優は正宗のジーンズの隙間を見つめた。
ジッパーの合間は、膨らんではいるけれども望むほどの状態ではない。
「正宗くん………」
「ん」
「……舐めさせて?」
「……………」
蕩けきった優の顔を、やはり無表情に正宗は見下ろしていた。
期待し切った優の顔をしばしそのまま眺めて、やっと下着に右手を掛ける。
それですら優は小さな声を漏らしてしまう。
「……はい。」
優の手は放さないまま、正宗が優の頭あたりを跨いだ。
優が必死に顔を寄せ、舌を伸ばす。
懸命ではあるがいつもの優には程遠く及ばない快感に、正宗のそれが立ち上がるのには時間がかかった。
その間にも指先で腹を撫でられ、乳首を擽られて優は篭もるばかりの熱に翻弄される。
涙も呼吸も熱く速く迸っていた。
「まさむねくん………」
立ち上がった自分のものの下から、明け透けに物欲しそうな優の瞳が縋るように見上げる。
正宗は努めて優しく笑った。
「……まだでしょ?」
「んんっ……………」
きゅっときつく目を閉じて大きく涙を零し切ると、優はまた必死に不自由に唇を這わせる。
「すき、すきー………」
「俺が?それが?」
「ん、んぅ、すき………」
「ったく」
呆れたように溜め息をつき、正宗は優の上から退いた。
優の脚は不安げに擦り合わされており、腰は物欲しそうに揺れている。
挙句、触ってもいないはずの谷間の奥は小さく濡れた音までさせていた。
「ほんとビッチだな」
「ん、ごめんー……」
優は催眠術にでもかかったような顔をしている。
「気持ち良さそう」
「ん……気持ちいい……」
「どこが?」
「はぁっ、……口、と、おっぱいと……、中、と、」
「全部じゃんか」
「んっ!……正宗くんが触ったとこ、ぞくぞくする…………っ」
「…………………」
ーーまたそんな、可愛いことを言う。
あちこちに粉を掛けては足を開くくせにこうして自分にベタ惚れなのもまた本当だから、正宗としては複雑だ。
「……じゃあ、どうして欲しいの?」
「んっ!」
優がびくりと総身を震わせる。
また一気に上がった呼吸をどうにか落ち着け、薄く目を開いて縋るように正宗を見た。
「いれて……」
「んん?」
「正宗くんのっ、入れてぇ……おねがいー……」
薄い胸を大きく上下させ、ぼろぼろと涙を零す優をやはり正宗は平坦な顔で見返す。
「俺のをね。どこに?」
「んんっ…………」
優がもどかしく指し示そうとするが、正宗はまだ手を放してやる気はない。
ただ微笑んで促した。
湿った音を立て、ゆっくりと優の脚が開いていく。
濡れそぼって閉じていたそこが外気に触れると冷たく、それがいやらしくて痙攣してしまう。
「ここ……………」
「主張すげえな!」
まだ収縮するそこに正宗はからからと笑い、優は珍しいほど恥じ入って肩を縮めた。
「だって……正宗くんのがほしいから……」
「んん、減点」
意地悪く笑う正宗に優が涙目を見開く。
正宗はまた、今度は優の胸あたりを跨いだ。
「そんな欲しがられたらこれお仕置きじゃないからね。ただのご褒美だから」
「え…………」
「ずっと欲しがってろ」
「ーーーーーー!」
目の前でそそり立っているそれを、正宗の右手が握り込む。
その手の甲まで脈が走っているのは、正宗も欲情しているからに違いないのにーー
ーー優に触れるでもなく、ゆっくりとそこを往復し始める。
「や…………っ」
「ふ………、すげえ顔」
「やだっ!正宗くん、やだぁーー……」
「やだ?なにが?」
「それやめてっ、いかないで…………」
先程までとはまた違う涙をこぼしつつ、優は必死に懇願する。
封じられたままの両手もこれまでになく暴れた。
そこに体重を掛けて平然と制圧しつつ、正宗は摩擦を続ける。
「まさむねくんっ……………」
「っはは、ほんと良い顔すんな………」
熱に浮かされ始めた正宗の瞳に射竦められ、優は絶望するような気持ちになった。
きっと正宗は、聞いてくれないーー
「ぁ…………、やーーー……」
「ん………優、可愛いよ」
「やだぁー………」
正宗の背後では、どうしようもなく優の腰が揺れ、足が跳ねる。
聞き届けられないと分かっているのに止められないそれはもう、藻掻きだった。
正宗の熱を求めて疼く体の奥が、気が触れそうなほどに切ない。
「まさむねくん、ごめん……ごめんなさい、もうしないから……………」
「何を?」
「……っ他の人と、エッチするの、もうしない、からぁ……」
「から?」
「それ、いれてくださいっ……もう、おかしくなっちゃう、」
「何回したかねぇ、その話」
話は聞いてくれるものの止まらない正宗の右手が、飲む気はないと雄弁に語っていた。
優はもう、嗚咽するほどに泣いている。
「まさむねくんー……!」
「あぁ、……優、どこがいい?飲む?」
「やんっ、出さないで、やだあ………………」
「ほら、口開けて」
「んっ…………」
体を震わせ、堰が切れたように泣きながらも優は素直に口を開けた。
この際どこでも良いから触れていたい。
暴れるそれを抑え付けるように優の口の中に吐き出してしまうと、正宗は気が済んだように笑った。
優はしばし呆然としてから口を閉じ、ゆっくりと舐め取る。
結局挿してはくれなかったという絶望にも似た悲しみも一緒に飲み下すと、ざらついて、苦かった。
「まさむねくん………」
未だもどかしく腰をうねらせながら優が正宗を見上げると、正宗はまたあっさりとした表情でそれを見下ろした。
「ーー今日何回してきた?そいつらと」
「へ………、わかん、ない」
「イキまくったんだ」
「は、ぁ……っ」
冷たくそう断じられ、その言葉に感覚を思い出して優は体を引き攣らせた。
「その回数分、俺がイくまで優のこと抱いてやらない」
「ぇ……………!」
愕然と目も口も開け放った後、優は悲痛に歪めた顔を肩に埋め、泣きに泣いた。
完全に視界から外れたところで正宗が笑う。
「ーー……うそだよ」
「………………!」
そっと手を解放してやり体を引いて優の脚の間に腰を下ろすと、優ががばりと起き上がった。
「………………ほんとう!?」
「ほんと。でも俺なんもしねーからな」
呆れたような正宗の笑顔がいつものように優しくて、優は心底安堵した。
必死に頷き、すぐさまその股間に頭を埋める。
「ごめんなさい、ごめんね、正宗くん」
「そこじゃなくて俺に謝んなさい!」
「んっ、すき……、だいすきー………」
「だからー、もー………」
聞こえているのかいないのかただむしゃぶりついている優の頭を撫でてやりつつ、苦笑して、きっとこの小さなじゃじゃ馬には一生勝てないのだろうなとーー正宗は溜め息をついた。
おわり。
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