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第一章~高校2年生・春~6
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***
「え、久夜と彼方今日お弁当じゃないの?」
「先週言うたやん。来週の月曜は食堂行こうって。」
「…...忘れてた。」
そう言えばそんなこと言ってたかもしれない。
去年は全然食堂に行かなかったから、今年は行きたいね、って話をして。
来週の月曜日ね、って確かに言ってた。
1人でお弁当かぁ…
「なに、梁瀬弁当?俺も1人で弁当だから一緒に食おーぜ。海翔と紅野は早く食堂行けよ。」
「なにこいつ、くそ腹立つんだけど。」
「谷地くん落ち着いて。」
「…梁瀬、できるだけ早く戻ってくるから。」
「あ、うん…?」
彼方と谷地島、紅野くんが出ていって、1人心配そうにこっちを見た久夜。
俺の頭を撫でると、追いかけるように教室を出ていった。
…久我くんとご飯、そんなによくないのかな。
「梁瀬ー、早く食おうぜ。」
「うん。」
俺は自分の席に座って、久我君は彼方の席に座る。
お弁当を広げた久我君はいただきます、と言って真っ白なご飯から食べ始めた。
「やっぱ俺、久夜に嫌われてんのかなー」
ウィンナーを箸でつまみながら、久我君がつぶやく。
「え、なんで?」
「さっきも、梁瀬のこと俺と一緒にさせたくなかったっぽいし。」
「…そんなことはないと思うけど。」
……確かに俺を久我くんと残すのが嫌だったのかもしれないけど。
それはイコール久我くんを嫌いってわけではないと思う。
「久夜から聞いた?」
「何を?」
「俺ね、久夜と喧嘩したことあんの。」
「へっ?喧嘩…久夜と?」
あの久夜が?誰かと喧嘩するんだ…
しかも久我くんとって……全然想像つかない。
「正確に言えば、俺が一方的に怒って殴っただけなんだけど。」
「どう、して…??」
久夜もそうだけど、久我くんだって同じくらい喧嘩はしなさそうなのに。
「……好きだった子を久夜にとられたから、になるのかな。
今じゃその理由も違う気がするんだけど。
当時はそうゆう理由だった。」
久我くんの言ってることが段々分からなくなってく。
久夜に好きな子をとられた話まではわかる。
だけど、その後の当時はそうゆう理由って、なんで理由が変わるの?
それは聞いちゃいけないことなのかな。
「俺は結局何日か謹慎くらって、その後久夜に謝ったりして何とか今の状況なわけだけど……久夜は怒ってるのかな~って。」
「そんなことあったんだ………。」
久夜が話したがらなかった過去のこと。
勝手に聞いたのは…やっぱりよくないよな…
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