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第一章~高校2年生・春~7
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「まぁあいつも当時はさ、来るもの拒まず去るもの追わずって感じで。結構酷かったんだけど……
今はそんなことみたいだから平気かと思ったんだ…でもやっぱまだ許されてないっぽいな。」
「……その話、もう少し…」
「えっ、ちょっ待って!なんで泣くの!?」
「あ、これは…」
まただ。また勝手に涙が流れてる。
どうして勝手にでてくるんだろう。
分かってたはずなのに。
もう過去のことだって。
今は関係ないって。
……分かってるのに。
どうして…どうして……
「俺、なんかいけないこと言った?ごめん!!」
「ちがっ…久我くんのせいじゃ、ない…」
謝るのはこっちの方だ。
勝手に泣いてるんだから。
久我くんからしたら本当いい迷惑。
早く、早く涙止まれよ...!
「梁瀬?…久我、一回歯ぁ食いしばれ。」
「えっ、久夜?なんでそんな怒ってんだよ…」
「黙れ。」
…え、嘘。
なんでこのタイミングで久夜…!?
教室の入り口からいやに殺気だった久夜が歩いてくる。
待って、なんか誤解してる?
誤解とかなきゃ…!!
「久夜違うから!別に久我くんに何かされたとかじゃないから!!俺が、勝手に……」
「勝手に?勝手にって何?涼真何か言われたんやろ??」
「そうじゃなくて!久我くんは殴っちゃダメ!」
「……どいて。邪魔。」
「久夜っ!」
…こんなに怒ってる久夜初めて見た。
なんで、俺の言葉も届かないの?
久我君の胸倉をつかんだ久夜は今にも殴りかかりそうで。
「久夜!やめてっ!」
「なんで、そいつ庇うん?...泣いてたの、お前やん。」
「っ!!」
久夜の腕にしがみついた俺に、久夜の冷たい視線が刺さる。
…なんでそんな顔するの。
冷たい、何を考えてるか分からない瞳。
初めて俺に向けられた敵意だった。
俺、別に…、久夜と喧嘩したかったわけじゃないのにっ…
なんで、どうして…
自分のことなのに、こんなにもうまくいかないんだろう。
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