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第一章~高校2年生・春~14
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「久夜、ご飯出来たって。」
「ん。分かった。行く。」
「久夜、あのさ……後で…、話がっ、あるんだけど……!!」
「……ん。俺も梁瀬に聞いて欲しいこと、ある。」
ガチャリと扉が開き中から久夜がでてくる。
一瞬息をのんだ俺に久夜は笑っていこか、と言った。
「大人数いるときはやっぱ鍋だよな!」
「若干暑いけどね。鍋は冬にやるべきだよ、やっぱり。焼き肉…しゃぶしゃぶ……すき焼きとかにすべきだったかなぁ~」
「千そんなに鍋嫌い?」
「嫌いではないけど、鍋は冬がいいの。」
「大人数でやる鍋楽しくない?」
「それとこれとは話が別。」
なんの痴話喧嘩なんだろう。
でも八尋先輩も千先輩もこんな風に言い合いをしたりするんだってちょっと驚き。
勝手に喧嘩とは無縁な2人だと思ってた。
「兄貴たちも喧嘩したりするんやね。」
あ、久夜も同じこと思ってた。
そうゆうちょっとしたことが嬉しい。
俺はまだ久夜と一緒にいたい。
「お前は俺らをなんだと思ってるんだよ。」
「そりゃ俺も八尋も人間だしね、感情もあるし。喧嘩くらいするよ?」
「まぁあれだ、衿夜達とか京介達みたいに周りを巻き込まないだけだ。」
それにしてもきっと先輩達は大きな喧嘩はしないんだろうなって思う。
ちょっとした些細な言い合いをして、でも自分達で収束させるんだろうなって。
俺達は、そうなれるのかな、って。
そうゆう風になれればいいなって、思う。
「京介達はともかく衿夜達はね~、酷かったよね。」
「ずっと疑問やったんですけど、どうして衿夜先輩と閑流先輩のあの喧嘩絶えないコンビが副部長やったんです?それこそ京介先輩とかにした方が良かったんやないですか?
もうすぎたことやけど。」
「あ~、それは……あはははは」
思い出した途端に笑いだす千先輩に、苦笑いをする八尋先輩。
俺も、いや、去年バスケ部だった全員が思ってたことだと思う。
だって、あれ去年に始まったことじゃないだろうし、前からだったら何でわざわざ喧嘩する二人を副部長にしたんだろう?って思うのも当たり前だ。
「バスケ部って次の部長副部長は指名制ってか上の代が決めるだろ?
俺達の1個上の代がそれ決めるときにちょっとした悪ふざけして……」
「「悪ふざけ?」」
あ、久夜とハモった。
「そうそう。部長は八尋に決めてたんだけど、副部長は悩んでたらしくて。
候補は衿夜、閑流、京介、蒼の4人でどの組み合わせにするかで悩んだんだって。」
「で、どの組み合わせでも別にいいだろって思った先輩達が100mの速さ順でよくね?ってそれで走らせたんだよ。」
「衿夜と閑流がよく喧嘩することなんて知ってたくせに、どの組み合わせでも平気と思ってた先輩たちの考えは本当に迷惑すぎるけど。」
「でも足の速さやったら閑流先輩より京介先輩の方が上やったんやないです?」
「確かに…」
去年の100mのタイムは八尋先輩と衿夜先輩と京介先輩でほぼ同じくらいだった気がする。
蒼先輩が副部長候補に入ってたのが意外だけど、単純にいけば衿夜先輩と京介先輩になっただろうに…
なぜ?
「4人にはね、昼休み適当な理由つけて呼び出して、遊びだけど本気で走れよって言って走らせたの。
どんな結果になろうと1本勝負って決めてたんだよね、先輩達。それが失敗だったって思うけど。」
「…否定はしないな。
まぁ想像の通り速いのは京介と衿夜だったんだが、閑流と蒼だって極端に遅くはないわけでさそれなりにいい勝負だったよ。ただ……」
「走る横並びの順番が閑流、衿夜、京介、蒼で。
京介達がゴールする直前に蒼がめちゃくちゃ盛大にコケたんだよ。」
「「え??」」
「あれは悲惨だったな。」
「いや、普通コケないでしょ。」
思い出すと笑いが止まらないのか千先輩は終始笑ってる。
いや、蒼先輩どんなコケかたしたの。
「それで京介が止まったんだよ。で、その間に衿夜と閑流がゴールして、めでたくあいつら二人が副部長。」
「本当、卒部する先輩達はいいかもしれないけど、ど、残るこっちにはいい迷惑になる副部長が誕生したわけ。」
「なんか、凄いですね……」
そんな風に決めちゃうんだ、部長と副部長………
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