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僕のキモチ
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本当に、やさしいのだな、と実感する。
これからもずっと、こうやって。
友達でいられたら、と、どんなに思ったことか。壊したのは、僕なのに。
友達になった、あの日から一カ月のこの日ももう過去のことだ。やっぱり、僕を見る松崎くんの目は厳しくて、僕は早くこの輪の中から抜けようと思うのに、氷崎くんが視界に入ると、どうにもいかない。抜けようとする足が止まるのだ。ただ、松崎くんは早く僕に抜けて欲しいらしく、どうも当たりが冷たい。話の節々で、氷崎くんとの仲の良さを言ってくる。
俺と涼は、お風呂にも入ったことあるんだよ。
俺と涼は、昨日も一緒に寝たし。
俺と涼は、俺と涼は…。
ムカムカする。
僕にそれを言ったところでなんになるんだ、と。わざわざ牽制するような言葉を言ってくる松崎くんに、イライラするのだ。僕なんかと上辺だけでも仲良くしてくれる良い人なのに。こんなことを思う自分が嫌になる。
そんなある日、ふと気付いた。氷崎くんて、松崎くんのことが好きなんだ、と。
氷崎くんは松崎くんのことをよく見ていた。松崎くんが氷崎くんの方を向いていないときだって、本当に、いつも。最初は応援した。声には出さなかったけれど、応援してた。だって、多分松崎くんも氷崎くんのことが好きだと思ってたから。僕なんかに牽制してくる位だから。だけど、僕の考えは違うんだと、すぐわかることになる。氷崎くんが松崎くんを好きだと気付いて一週間後のことだった。
氷崎くんの家に呼ばれ、三人で勉強会をすることになった。そこで紹介されたのだ。
俺の兄貴の、氷崎 翔(ヒザキ ショウ)。で、えーと、その、久遠の恋人。
羽山くん、だっけ?よろしく。
その中で、久遠、と翔さんが愛おしげに言う。甘える松崎くん。その光景を悲しそうな、でも笑って見てる氷崎くん。あんまりじゃないか?僕を牽制してたのはなんだったんだよ。松崎くんは氷崎くんが好きなんじゃないのかよ!イライラでいっぱいだった。
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