アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
後編
-
これがビリヤード? なんでビリヤード?
分かんないよ、と叫んでも、永井君は余裕の顔だ。
「オレのキューで、先生のポケットに入れさせて貰うってコトですよ」
隠語での説明にぞっとする。
ウソだ。こんなの聞いてない
「煙草やめるの、協力してくれるって言ったでしょ?」
「違っ、やだよっ」
ぶんぶん首を横に振っても、ぐいぐい攻められて、待ってすら貰えない。
割り裂かれた股間に、硬いモノが押し当てられて息を呑む。
「ブレイク……っ」
抑えた声での宣言。同時にオレの穴に、硬くて熱くて太いモノが入って来た。
「いっ、ぎっ、ああああああっ」
痛みとショックに叫んだ後、息つく間もなく揺すられた。
「はっ、ああっ」
衝撃を受けるたびに声が出るって初めて知った。
突かれて突かれて突き上げられて、体が自然と上にずれる。けど、その腰をぐっと掴まれて、更に奥深くまで穿たれた。
「いああっ」
強引に入り込んだ男根が、ぎちぎちと穴を深くする。
息がうまく吸えなくて苦しい。酸素を求めてはくはく口を開けたけど、無慈悲に唇で塞がれた。
強引に差し込まれる肉厚の舌。抵抗もできないでいる内に、舌を絡め取られて甘噛みされて、叫び声が我慢できない。
「んっ、んんんーっ!」
オレがたまらず射精したの、分かったみたい。永井君がくくっとノドを鳴らして笑う。
それでもキスはほどけない。噛まれた舌を、あやすようにぞろりと舐められて、「んんっ」とうめく。
不意に、パシャッと光を浴びせられてビクッとした。
「な、に……?」
写真!? ぎゅっと閉じてた目を開けると、永井君が片手にスマホを掲げてる。
「やっ」
とっさに顔を隠そうとしたけど、拘束された両手は動かせない。
カッと赤面しながら顔を逸らすと、「記念写真ですよ」って囁かれた。悪びれもしない言い方にドキッとする。
止まってた律動がまた始まって、声が漏れるのを押さえられない。
「ふっ、ん、……くっ……」
「耐えてる顔もそそりますね」
必死に口を閉じるオレを、あざ笑うかのように向けられるカメラ。ぐいっと両脚を抱えられ、丸出しになった恥ずかしいところも写される。
繋がってるところなんて、見たくもないのに。
「ほら、キレ―でしょ、先生のアソコ」
そう言って彼は、オレの前にスマホのを掲げた。わざわざ視線を向けなくたって、何が写ってんのか言われなくても分かってる。
「見せるな……!」
目を背けて叫ぶと、面白そうに「ふ~ん」とか言われた。
「写真撮影会、イヤっスか? じゃあ、またビリヤードしよーか」
永井君がそう言って、ぐぐっとオレにのしかかる。ちゅっと軽いキスの後、首筋をべろりと舐められた。
再び激しく揺すられながら、オレはうわ言のように「違う、違う」って言い続けた。
ビリヤードの意味が違う。
オレの目指してた結果とも違う。
「勝手に勘違いしてただけじゃん」
ふふっと笑いながら言われた言葉に、そんな、って思ったけど、奥の奥まで串刺しにされて、反論できる余裕もない。
内壁をこすられて、「ああっ」と声が漏れる。
気持ちイイのとは違う。こんなのは違う。けど、その思いは通じてくれないみたい。のけぞって涙をこぼした瞬間、またパシャッとフラッシュが浴びせられた。
「泣き顔もたまんねぇ」
ぼそりと呟かれる残酷な言葉。
「これからしょっちゅう、プレイしよーぜ、先生?」
撮った写真を見せながら、永井君が言った。
「この先ずっと先生をマスワリできんなら、オレ、もう2度と煙草なんて吸わねーし……」
「吸ってるフリも、もうしねぇ」
永井君の言葉に、オレはようやく、全部罠だったと知った。
禁煙の必要なんてない。最初から全部、嘘だった。けど――嘘だと分かったところで、もう約束を無かったことにはできなかった。
写真を撮られたからだけじゃない。
幾つものファウルの末のビリヤード。こんなのフェアとは言えないけど。
「先生っ、先生っ!」
オレを滅茶苦茶に突き揺らしながら、縋るように何度もオレを呼ぶ、永井君を憎めない。
だってビリヤードは競技だし。相手に魅了されたら、勝負は負けたも同然。いや、そもそも最初に放っとけないって思った時点で、試合にすらなってなかったのかも知れなかった。
(終)
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
3 / 11