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お家でまったり?
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買い物をして、帰って来てもまだ午後の五時。
祐也はさっさと買い物した食材を冷蔵庫に詰め込んだ。肉の冷凍は、夕飯作る時にでも、一食分に切り分けて、ジッパーに入れて冷凍すれば良い。
せっかく秀が来ているのに、待たせたりなんてしたくはない。
コーヒー用にお湯を沸かしながら、祐也はサッとできるだけ早く済ませる。
「秀、コーヒー。運転お疲れ様」
そう言って、秀の待つ部屋に入る。
秀は前に一緒にご飯を食べた席に座っていた。
「くつろいでて良かったのに」
何かにもたれるとか、座るのにまだ柔らかいだろうベッドに座っちゃうとか。秀はしないんだろうな、と祐也は思った。
あぁ、そういえば、座椅子やらクッションやら考えただけで、買いには行っていない。
祐也はふと思い出した。
やっぱり、買い物行くかなぁ。俺このまま秀と二人きりだと、何するかわかんないし。
コーヒーを渡されて、祐也がくつろいでいて良いと言ったからか、秀は足を崩して座り直した。
祐也はそんな秀の隣に座る。
「運転は、近場だったし、そんなに疲れてもない」
祐也を見て、秀はそう言った。
多分、これは気にするほどのことじゃない、だ。と祐也は思う。
俺最近秀の言葉から、色々わかるようになってきた。祐也はそれが嬉しいのだ。
言葉だけを聞けば、冷たい態度にも聴こえてしまう秀の言葉。けれど、その裏には、優しい言葉が隠れている。
「秀って、フローリングより、畳派?」
秀の姿勢の良い座り方とか、そういうの見てると、そんな感じなのだ。
「実家が畳だった。あと、小さい頃から霊安寺に預けられてたから、だな」
霊安寺は、休める場でもあるけれど。畳の部屋はしっかり座っていたい、と思う秀だ。
今の部屋がフローリングだから、慣れてはきているが、やはりまだきっちり座る癖は抜けない。
「寺とか、座り方にうるさそう」
祐也は素直に思ったことを口にする。
秀は、少しだけ首を傾げている。
「そうでもなかった。住職が、奔放な人だから」
さすがに、寺の行事なんかの時では、しっかりとした姿勢を求められた。それに仕事中も。
でも、それ以外はどれだけだらけていても、怒るような人ではない。というか、だらけてて良いとまで言う人だ。
「どっちかっていうと、実家の方がうるさかった。あの人たちは、俺がいることも嫌がってたし」
隙を見せたら怒られたのは、実家の方だ。小さかった自分には、とても辛かった覚えしかない。
だから、霊安寺に初めて行った時、住職に嫌われないようにと、大人しく静かに姿勢良くを心掛けたのだ。だが、住職はそんな秀に、気の抜き方を教えてくれたのだ。いつもいつも張りつめていた気持ちが、楽になった時だった。
「ごめん、嫌なこと思い出させた」
祐也が慌てて謝っている。
でも秀は、気にすることじゃないと、頭を横に振った。
「霊安寺から戻って、高校の一年間は実家にいた。やっぱりうるさい人たちだったから、今でも座り方とか抜けないけど」
秀はフワリと笑った。
「祐也の隣は安心する」
そう言って。
秀は、本当に自分の言葉の威力を知って欲しい、と思う祐也だ。
本気で、心臓打ち抜かれた。油断してた。笑顔も一緒にとか、もう俺色々ヤバい。
バタリと机に突っ伏した祐也に、秀が慌てる。
「祐也?」
何か変なことを言ったか?と。
秀は、言葉を気を付けていたつもりだった。祐也に不快な思いをさせないように。これでも気を付けてはいたのだ。
祐也は、秀の言いたいことを少ない言葉でも、しっかり理解してくれるから。また甘えて、変なことを言ってしまったのかと。
「ごめん、秀」
そう言って起き上がった祐也に、秀は抱き締められる。
「え、ゆう……んん」
衝動のままに抱き締めてキスするなんて。前もそうだったけど、本当に抑え利かなくなってる。そう祐也は感じる。
秀は祐也が謝った意味がわからず、混乱する。
キスで頭がボンヤリして、余計にわからなくなる。
「は、ゆう、や……?んん」
聞こうと思ったのに、いつの間にか秀のシャツのボタンは外されてて。鎖骨にピリリとした感触の後、濡れた物が触れて行く。
何?と秀は混乱したままだ。
首筋にも、滑った感触。それが、祐也の舌だと、やっと秀は理解した。
「ん、祐也、……、っ」
祐也の、言葉がない。それだけで、こんなに不安になる。
何がどうして、こんな風になっているのか、秀にはわからない。
「秀、シャツ、脱がせて良い?」
ふと、顔を上げた祐也と目が合う。
「え……」
第三ボタンくらいまでは、勝手に開けられていたけど、その先はそのままで。
混乱のまま、答えられなくなっている秀。
「秀の全部が見たい。秀の全てが、知りたい」
祐也の目が、どこか獰猛な色を宿している。
多分、それでも祐也は、秀に問いかけて、何とか律しようとしている。秀の気持ちを置き去りにはしないようにしている。
それがわかった時、秀には祐也を拒む理由が見付からなくなった。
「っ、まだ、明るい」
そんなことを秀が言ったって、このどうしようもなく熱くなった祐也の体は、止まらないので。
「んじゃ、カーテン閉める」
そう言って、離れたくはなかったけど、祐也は秀を離して、遮光カーテンを閉める。
それでも、明るいのは変わりないけど。先程よりはまだマシだ。
秀の元に戻った祐也は、ぎこちなく自分を見る秀と目が合う。
「秀、立てる?」
お泊りに誘った時、いきなり襲ったりしないとか言った気もするけど。
これはどう考えても、いきなり襲ってるな、と祐也は思いながら。秀の腕を取って立たせて、そのままベッドに連れて行く。
ベッドの真ん中に、秀を座らせて、改めて抱き締める。
秀の体が強張ってるのが、祐也にはわかった。けど、衝動が抑えられないのも、事実で。
少しでも、秀が嫌がれば、まだ止められる体制。秀の気持ちが第一優先であることは、祐也には変わりなくある。
でも、秀は嫌がるどころか、ぎこちなくはあったけれど、祐也を抱き締め返してくれた。
「秀、嫌じゃない?」
小さく問いかけた祐也に、秀の頭が動いて頷くのが見えた。
「嫌だったり、怖かったら、言って」
それで止められるとは思っていないけど。祐也は頷いてくれた秀を、すぐに押し倒したい衝動だけは耐えた。
秀の顔は、祐也の胸元に埋められてしまっている。
耳が赤いのが見えた。緊張と、恥ずかしさ、かな。祐也は今の秀の状態を考える。
「秀、このままじゃ、キスできない」
無理矢理顔を上げさせはしない。ただ、耳元で囁いたのは、そこがすでに秀の弱点だとわかっているから。
ピクリと震える秀の体。
ちゅっとリップ音をさせた後、祐也は秀の耳を食んだ。
「っ、うあ」
慌てたように、秀が起き上がる。手で、耳を押さえてしまった。
まぁ、もう反対の耳もあるけど、せっかく顔を上げてくれた秀に、それ以上の意地悪はしない。
少し離れた体を抱き込んで、さっき以上のキスをする。
「んん、ん……」
呼吸も奪うようなキスに、絡められた舌。
秀の体の強張りが、少しだけ緩んだのがわかった。
粘膜同士が絡む音。くぐもってしまってるけど、秀の吐息が祐也の耳を揺さぶってくる。
さっきは、ボタンを全部外すのは止めたけど、今はもう止められない。
「んん……!」
秀の目が、驚きに見開かれたのがわかった。
祐也の手が、秀の素肌を撫でたからだ。
ただ、目を開けても視界に入るのは、秀にキスしてる祐也の顔だけだ。
祐也としては、秀の体を見たいのもあるけれど。ちょっと今は、もう少しキスしてたい。
多分、見てしまえば、そのまま秀を押し倒す。それがわかっているから、もう少し、秀の体の強張りが解けるまで我慢。
結構秀ってキス好きかな?キスすると体の力抜けるみたいだし。祐也はそう考えて。
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