アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
予告
-
それから何週間か経って、鬼のようなテスト期間も終わり気づけば夏休みが目の前に迫っていた。
猫は最初の時と違って、威嚇したり牙をむけたり爪でおどしたりすることもあんまり無くなった。・・・・・そりゃたまにはしてくるけど。
毎日風呂は一緒に入るし。一緒にベッドで寝る。猫が怖い夢を見たと言ってきた日から、毎日夜にフラフラしだす猫に、「面倒くさいからもう初めからここで寝ろ」と告げたら、怖い夢を見ることなく安眠出来るようになったようで、フラフラすることもなくなった。
たまに仲良すぎないか、とツッコミ入れたくなるけど今更どうこうしようともあんまり思えない。慣れってこえー。
家にいるときは比較的いつも一緒にいる俺らだけど夏休みに入るとそうも言ってられなくなる。・・・・なぜかというと・・・・
「俺な、仮免許合宿行ってくるんだ」
「・・・・?」
「うーんと、まあ、簡単に言うと・・2週間家に帰らない。」
そう告げると猫はぽかんと口を開けた。・・・・うん、ごめんな。でも、これは猫を預かる前から決まってたことなんだよ。
「なので猫は俺が合宿中は叔父さんの家に・・・・」
「いやだ!!」
「デスヨネー」
もう季節でいう春をこの家で過ごしてきて、
大分慣れた頃にまた違う家に行くことは少し嫌だろう。そんなことは分かってる。
でも俺の合宿はもう金払っちゃってるし、今更どうしようもない、のだけど。
「るすばん、するから」
・・留守番するから~?!何言ってんだ。
「・・・・お前、ご飯作れんのか?」
「・・・・。」
「洗濯出来るのか?」
「・・・・。」
「この暑い中、体調崩したらどうする?お前暑いの苦手って言ってただろ。」
「・・・・。」
「・・・・はい、強制連行だからな」
「・・っ、さかな・・」
「お前の魚一匹もらったって、これは変わらないぞ!」
ていうか魚もらっても俺の気は別に揺るがないわっ!!そういうと猫はしっぽをだらんと下げて、耳もこれ以上ないってくらいにへたりこんでしまった。
「2週間なんてすぐだから、な?」
そう言っても猫の落ち込みは直らない。ここまでショックを与えるとは・・。しかも珍しく猫の姿に戻って小さく丸まってしまった。罪悪感が半端じゃないんだけど。え、どうしよう。叔父さん、嫌いなんだろうか・・。どうしよう。俺の実家に預けてもいいけど人型の猫を見ると母さんは倒れてしまうかもしれない。俺より順応性がある人じゃないし
。……でもたかが2週間だし、帰省するのと同じ要領かな、くらいに思ってた。
ぽんっと猫の頭を撫でてみる。
・・・反応がない。ただの猫のようだ。いや、ただの猫なんだけど。
俺が出発するのは三日後。てことは猫を預けにいくのは二日後か。それまでに機嫌が直るといいけど・・・
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
18 / 43