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合宿
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合宿も順調にこなしていって残りあと一週間だ。半分は過ぎたけど初めて運転する車とかバイクに興奮して(男の子ですからね)一緒に来た仲間達とアホみたいに騒いでいると俺もそこら辺いる大学生と一緒だ。意外と時間はあっという間にすぎるもので。
ふと一息つくと、家にいたアグレッシブな猫のことを思い出す。
元気かなー・・
飯くってっかな
迷惑かけてないかな
いじめられてないかな
怖い夢は見てないかな
何となくあのぶすっとした顔が頭から離れなくなってくる。
今、何してるかな。
猫預けにいった時の顔を思い出す。
すごく寂しそうだったな・・あいつ、結構俺に懐いてきてんじゃねえの。なんて言ったら引っ掻かれそうだ。
友達は風呂に入ってるし、ちょっと電話してみようか。
・・・・でも電話かけて余計寂しくさせたりしたら、アレか。
そっと握りしめた携帯をベッドに投げようとしたら、
リリリリリリ
携帯の着信が鳴り響いた。
ビックリしたビックリした・・・・!!!なんだよもう!!ちなみにあんまり使ってない着信音は初期設定のままだ。
ピッ
「・・もしもし」
「あ!正嘉くんかい?叔父さんだけど・・」
なんだ叔父さんか、それもそうだ猫は今猫の姿なんだから。ていうか俺の番号なんて知らないだろうし・・って何で猫から電話がくるかもなんて思ってたんだ俺、アホじゃん。
「あー。コンバンハ。何かありましたかね。」
「いや~何かと言われるとそうでもないんだけど。あのこ・・はもしかして小食?なのかなって思って。」
「いや、全く。大食漢ですね。食い意地だけは一人前ですよ。・・・・もしかして飯食ってないんですか。」
「う・・ん。少ししか取らなくてね・・。ちょっと心配で。」
「何あげてるんですか?」
「え?キャットフードだよ。」
・・・・。
「あの、魚とかって・・あげられませんかね・・。」
「魚?!魚なんて豪勢なもの毎日たべてるの?」
「え、あはは・・ま、たまにですよ。好物なんで猫の。」
ほぼ毎日だけど。
「・・・・分かった。魚ね、覚えておくよ。それじゃあ、また・・」
「あああ!!ちょ、ちょっと待って。猫どんな感じですか?大人しくしてますか?」
「え、うん。すごい大人しくていいこにしているよ。前とは大違いだ。正嘉くんは良いブリーダーだねえ!今だって枕にしがみついたまま寝てるよ。あのこが持ってきてた緑の枕。あれに顔埋めて・・。」
「緑の枕?猫の枕は黄色の・・・・」
違う。一緒に買い物した時に買った猫のは黄色の枕だ。
緑は。
緑は元々家にあった・・・・俺の・・・・。
「こうして見ると何だか本当に人間みたいだ。まあ、こっちは問題ないから、正嘉くんは集中して頑張っておいで。それじゃあ・・来週かな?またね。」
ブツッっと通話が切れた。おいおい、かけてきておいて用事が済んだらさっさと切るなよ・・まったく。
・・・・。
・・・・なんで俺の枕に埋もれて寝てるんだよあいつは。何だか少し恥ずかしくなってくる。
ガシガシっと頭を掻いて、ぼふっと合宿時の備え付けの枕に顔を埋める。
こんなんで、寂しさ耐えてんの?俺の匂いで、寂しさ紛らわせてんの?
はー!!帰ったら思いっきし甘やかしてやろう。
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