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我慢
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ぼふっとソファに担いでた猫を降ろすと、猫は久しぶりの我が家の匂いに鼻をすんすんさせた。
「・・・・あのなあ、猫。俺は怒ってないぞ。」
じとっと疑いのまなざしを向けられる。
「本当だって!」
「・・しわ」
「・・・・それは・・、多分、叔父さんが猫に優しくなったのをなんでかなあ~って考えてたから、かな。」
「わらってなかったのは?」
「それはお前が太ってビックリしたから!」
そう言ってぷにぷにのほっぺたをうにーっと伸ばしてやると、くすくす笑い出した。
んー。泣き止んだかな。
「さかな、たべなかったら・・・・おこらなかった?」
「だから別に怒ってたわけじゃ・・・」
「・・・・やさいばっかり?」
「まー、・・っていうか魚ってどっちかというとヘルシーな食べ物だろ?それで太るって、どんだけ毎日食ってたんだよ。」
「ごひき」
その数字を聞いて、俺は伸ばしてたほっぺたを抓った。
「いひゃい!!!」
「こんなチビのくせに一日五匹も食うな!」
「ちびじゃない・・」
「そんなに食ってて魚になってもしんねーからな。」
それを聞いた瞬間ピシャン!っと猫が凍りついた。
「さかなになるのか?!」
すごい必死になって聞いてくる。
「え・・まあ、お前人間にもなれるんだから、魚にもなれるんじゃねーの。」
とりあえずそんなことを言うと猫は青ざめてしまった。・・・・まあ、いいか。
俺は立ち上がってキッチンへと向かう。ごぞごぞ漁ってまた猫の前に戻った。
「ほら、ちゃんと大人しく2週間待ってたご褒美。」
目の前にチーズをぶらさげると、猫はすごく目をキラキラさせて手をチーズへと伸ばした・・・・が、またすぐ引っ込めてしまった。
・・・・ん?
「・・どうした?別に腐ってないぞ?」
「もどるまで・・・・いらない。」
もうチーズを視界に入れないように目をぎゅっとつむって顔を背けた。
もどるまで・・っていうのは痩せたらってことだろうか。
魚はねだったくせに、大好物のチーズは我慢するなんて、変な奴だな。
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