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氷
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「あ、そうだ猫。どっか行きたいとこ連れていってやるって、合宿前言っただろ?なんか考えといたか?行きたいとこ。」
夏休み真っ盛り。暑くて暑くてパタパタうちわで涼む俺の後ろで俺の風の漏れを求めて背伸びしてる猫に訪ねた。・・・・ていうか背伸びしたって届いてないし。
「うー・・・・・・」
「バテてんな、大丈夫か? 」
「だいじょーぶー」
舌をだしてうだぁっと返事をする猫は本当に暑さに弱いらしい。そのわりには俺の後ろをヒョコヒョコとついてくるけど。・・・・余計暑くねーか、それ。
「んー・・すずしいとこ・・・・」
「涼しいとこぉ?!」
どこだよそれ。
「避暑地とかのこと言ってんのか?・・・・お前、学生の財政力なめてんだろ。」
うりうりとつむじを押してやるとそのままへなへなぁと座り込んだ。あれま。
「・・・・避暑地たどり着く前に死にそうだな」
ていうかネットで調べたら猫って普通 暑さに強く寒さに弱い らしいじゃん。うちの子どうしたの。もしかして猫じゃなかったりして・・。 はは・・まさかな。 チラッと見るけど、耳はあるししっぽもあるし・・目も猫みたいな細い瞳をしてる(ついでに爪も牙もあるヨ)。
やっぱりどう見ても猫だ。とりあえず猫に見える、俺には。
人化出来る猫は普通の猫と違って繊細なんですぅ~みたいな感じか。そうか、そうだな。・・なんか腹立つんだけど。
キッチンに行って氷をひとかけ持ってきて猫の口にいれてやる。
ビクッと背筋がピンと伸びた。
「ふめふぁい!」
「氷だからな。んまいか?」
コクコクと頷いて溶けて小さくなった氷を舌で転がす。それに合わせてしっぽが左右に揺れた。
「んー涼しいとこかー……うーん。」
「ふゃあひゃはいとこ」
「ははっ、なんだって?」
「ひゃはいとこ!」
「とりあえず氷飲み込めっつの!」
ガリガリ、シャリシャリ。
一生懸命口の中の氷を噛んで飲み込もうとするけど、どうにも冷たいらしくてたまに目を
ぎゅっとつむって耐える。
ごくんと飲み込んだ。
「たかいとこ!」
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