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たかいとこ(2)
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「ついた!」
やっとタワーの頂上に着いたらしい。正直ひたすら上の方ばっかり見てたからよく分かってないけど。
首痛い。
「おー!!本当だ。窓の方行ってきていいぞ。俺真ん中のあたりにいるから、安全なとこな。安全なとこ。」
危険な場所には行かないぞという強い意思を訴えてみた。
けど、なかなか行動に移さない猫。
「お、俺は行かないぞ……」
「こわかった?」
「ん?いやまあ……でも空見てた時からは、平気だったな。」
「おれが」
手をぎゅっと握られる
「おれが、て、にぎってたから…」
「え?なに?」
人にまみれる上の展望台はガヤガヤしていて騒がしい。
それに猫の声がだんだん小さくなっていって聞こえなかった。
「………………。」
「どうした?」
「……なんでもない。」
少しもじもじしながら足で小さく床を蹴って、スルッと俺の手から離れて窓の付近に駆けていった。
……なんだよ、言いかけたこと途中で止められると気になるだろ……
ここのところ、たまに猫が何を思ってるのか分からない時がある。……いや、元から感性が鈍いのかそうゆうのは不得意分野なんだけどさ……
ふと視線を下にさげて、
さっきまで温かった手をぼんやり見つめた。
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