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八時
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そこからプラプラして、出店のまんじゅうだのチョコバナナだの肉まんだの食べて周辺探索してたらすっかり日も暮れてしまった。
「久々の外だったな。楽しかったか?」
「うん!」
帰りの電車に乗りながら、足をパタパタとさせながら猫が答えた。
今日は色々したけど、結果的には結構楽しかったなって思う。
ふと外を窓から覗くと見事にオレンジ色と、奥の方が深い紺色のグラデーションの空が見えた。
すげー・・なんだこれ。すっごい綺麗。
「なあ、猫。見てみ。外、すげーきれ・・猫?」
コテンと頭がこっちに倒れてきた。
顔をそっとのぞき見ると、予想道理・・寝ちゃったらしい。まあ大分歩いたし、暑かったし、疲れたよなそりゃ。
猫の頭を俺の肩にのせてやる。
んー・・・・寝てる奴見るとこっちまで眠くなるよな、あくびがうつるみたいな感じ。
ふあっとあくびを漏らして、電車のガタンガタンという心地良い揺れに身を委ねて俺もそっと目を閉じた。
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・・・・・・・・・・・。
俺もそろそろ自分が睡眠に対して貪欲なのを自覚した方がいいと思うんだけどさ。人間って自分はやれば出来る子みたいに思ってる節があるじゃん?あるよね?俺だけじゃないよね?例え電車内で爆睡かまして寝てた筈の猫に揺すられて起こされて、知らない駅で降ろされたからといって。
「・・・・どこだよ、ここ。」
「・・・・しらない。ていうか、ねすぎ。」
「うっせ。お前も寝てたろーが!・・・・なにこの過疎化した駅・・とりあえず反対車線の電車乗れば帰れるだろ。」
何この使えない奴。みたいな顔されてるけどオールスルーでもくもくと時刻表に目を懲らす。
「つか今何時だよ・・八時?どんだけ寝てんだよ俺ら。」
「くち、あいてた」
「止めろ。」
「しろめ、むいてた」
「・・・・・。
あ、あったこれが終電・・・・て、え?」
「なに?」
「・・・・猫、お前、今何時だと思う?」
「・・・・はちじ?」
「そう、正解。でな、これ終電なんだけど、何時だと思う?」
猫の手を取って、終電のマスを指指させて、その指を横へスライドさせてやると、その終電の時間が書いてあるマスへぶつかった。
「・・・・しちじ」
「な?ていうことは?」
「・・・・・・・・・かえれない。」
どうしよう!!!!!!!!
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