アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
地図
-
「うわー、ちょ、暗くなるの速すぎ!!これだから夏は・・。やばい、猫。お前の嗅覚を生かして寝床さがせっ!」
「むちゃくちゃいうな!」
「違う、これは役割分担だ!俺はこの文明の利器であるスマホくんで調べてるんだ、お前もなんかしとけ。」
「さっきからすすんでない!」
「・・・・・・・・。」
そう、さっきから調べてて、目星のホテルっぽいとこの検討はついているんだけど・・・・ちょっと俺、方向音痴っていうかなんていうか。マップ開くとこまでいったんだけど、ここからどこに曲がればいいか分からない。交番もない。人も通らない。目印もないくせにくねくね曲がり道ばかり地図は示している。・・・・・・やばい。
「あーもう!これ何でこんな見にくいんだよ、どうすっか。ちょっと手当たりしだい進んでみるか・・・・。いや、これ間違ってたらもう戻れない・・と俺の第六感が告げている・・。」
俺が歩くと地図上の矢印も動くやつだったら良かったんだけど・・、のんびり屋な俺は、流行とかに敏感な方ではなく、 まだ使えるしいいかな~ って旧式スマホくんを使い続けてたらこれだ!!なんだ!一つのものを大事に使う古風な感性持ってるのがいけないことか?!
悶々とだんだん、スマホくんの明かりしかなくなっていく周りに考え込んでいると、
「・・・・かして?」
猫が小首を傾げながら、腕の裾をひっぱってきた。
「え・・・・でも、お前・・」
「まさよしよりは、できる」
スルッと俺の左手からスマホを取り手持ちぶさたになった左手に自分の右手を絡めて、猫は歩き出した。ずんずんと手をひっぱりながら進み出す。斜め後ろから見てると服の中のしっぽがアンテナみたいにまっすぐたってるのが分かった。
・・・・ていうか、スマホ見ないで歩いてるんだけどこの子・・もしかして本当に匂いで辿ってたりして・・・・。
15分くらい歩いて。
辿り着いたのは、少し古びたホテル。
「おおおおおおお!!!!!すげー!!猫すげー!!!」
叫んで猫の頭をわしゃわしゃ撫でてやると、どや顔しながらもほっぺたポリポリ掻いてるから、褒められて嬉しいらしい。でもこれは本当によくやった!!明日は魚料理いっぱい食べさせてやろうと思う。
改めて、
着いた今日の俺らの寝床になるこのホテル。見上げるとパッションピンクの着色料使っちゃいましたみたいな、目に悪そうな色の看板が見える。
少しだけ、嫌な予感。
・・・・いや、でも地図にはビジネスホテルって書いてあったし・・。
でも、もうここしかない。路上で夜越すのは勘弁したい。猫も俺も今日は歩き回って結構疲れてる。
ウィイン
自動扉をくぐると
店の標識が見えた。
【ホテルアテネ改めホテルグランデに改装致しました。】
そして、下に小さく
※一部改装途中
と書かれていた。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
33 / 43