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ホテルアテネ・・・・。少しくさいよな。まあ改装してあるんだから関係ないか。
「すいません、予約とかしてないんですけど・・部屋空いてますかね・・?一泊なんですけど。」
「ようこそお越し下さいました。・・・・大変申し訳ありませんが、今日の夜に浅黄港の近くで花火大会が開かれるため、ただいま大変混雑しておりまして・・。」
「あー・・そうですか・・。分かりました・・。」
・・・・野宿決定しました。
「あの・・もし宜しければ・・。こちらの部屋で良ければ・・ご案内出来ますが・・」
愕然とうなだれる俺に受付のお姉さんがおずおずと聞いてきた。
「え?空いてるんですか?」
「ご案内出来る部屋はございますが・・・・その、改装が終わってないお部屋でして。・・・・こちらになります。」
お姉さんが見せてくれた部屋の様子は、俺の考えてた嫌な予感を見事的中させた。
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「うわあああ!」
「・・・・うわあ・・・・」
興奮したような猫の声とげんなりした俺の声が混ざり合った。
「でかい!」
そう言って猫はダッシュでどぎつい赤の丸いベッドに飛び込んだ。・・・・お前には物珍しい、王様が使うばかでかいベッドに見えるかもしれないけど俺には・・・・・。
部屋の大半を覆うこのベッドは間違いなくラブホテルのものを連想される。
しかも何だか回りそうだ。ベッドに跳ねてる猫に苦笑いしながら周りを捜索すると、スイッチを発見した。
ぽちっ
押してみるとムードが出そうなわけわかんない音楽がゆったりと流れ出して、これまたゆっくりと丸いベッドが回転し始めた。・・・・今時こんなベッドまだあるんだな。
「!!!!!!」
ガコンっとゆっくり動き始めたベッドに猫はびっくりして一瞬跳ねた。それからもそもそ、ベッドの端の方に寄って回転によって景色が変わっていくのを見て本当に回ってる!ってのを再確認してキラキラした顔してる。 俺から見るとキラキラした顔の猫がくるくる一定期間で俺の前に現れるから結構シュールだったりする。
猫サイドから見ても一定期間で俺が視界に入ってくることが分かったのか、俺の顔を認知すると手を精一杯のびーっと伸ばしてこっちに届かそうとするけど、手が届かなくて、のびーって伸びたまま あー・・ っと落胆した声を出してそのままの姿勢でまた流されていった。
なにこれうける。
次に回ってきた猫は少し前に出てきたのか、もう少しでこっちに届きそうだったけど、いたずら心が出てきて、少し身をひいたら あー・・! と今度は少し批判が混ざった声をだしてまた流されていった。
次はどうやってくるのかニヤニヤしながら回ってくるのを待ってたら、伸びた手が見えない。
・・・・あれ。
体の方に視線をうつすと
今度は手を側面にひっかけて、腰を高くあげて、足を踏ん張ってた。・・・・・・え、
意図を察して体勢を整える前にびゅんっとこっちに飛んできた猫を、なんとかキャッチしながら
も勢いを受け止めきれずに後ろにごろんとそのまま転がった。
ゴチン
「だっ!頭打った・・猫ォ・・いきなりとびつい・・へ」
ほっぺたをむにっと横に引っ張られる。
「やっと、つかまえたっ!」
満面の笑みで言うもんだから、 降参。 って言って両手をあげた。
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