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名前
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ぼそっと言った猫の言葉を頭の中で反復する。
「・・・・名前。」
猫はしっぽを力なくぱたっぱたっと動かしているけど顔は背けたままだ。そんで顔も赤い。服の裾をしっかりと握っている。
「・・・・・・え・・と。」
「おれも・・。なまえでよんでる、から、・・そっちもよべば。」
そのままツンと顔を背けた勢いのまま後ろをむいてしまった。
よべば・・って言われても・・俺・・、名前聞き直したけど、覚えられなかった・・てか・・ええっ?!長え!!!名前長え!!昔の人の名前みたいだな。
「えっと・・。あの、じゃあ・・・・みこと、とかって呼んでも・・いいか?」
かろうじて覚えてた最後の3文字を口に出してみる・・けど、どうしよう。いちいち名前フルネームで呼べとか言われたら・・毎回早口言葉言ってるみたいになるよな・・。噛むわ・・。
おそるおそる猫の後ろ姿に聞いてみると、猫はゆっくりとこくんと頷いた。
「そか。じゃあ、よろしくな。 みこと。」
猫は・・・・みことは、またゆっくりこくんと静かに頷いて。一度もこっちの方を振り向かないでそろそろ~とさっきの回転ベッドの中に潜り込んでいってしまった。
俺もそのあとを追って、潜り込むと、ホテルの電気の薄明かりにみことのうなじから上の部分がぼやっと照らされた。・・・・うなじ、赤い・・。何でそんな照れてんだコイツ。あ、耳まで赤い。
俺も布団に潜り込んだこと知らせるために、みことの背中を包むように寄り添うと、みことのしっぽが俺の腕に絡みついた。
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