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きがえ
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「・・・ただいまー」
そろそろっと玄関に踏み入れる。今日の授業をこなして、いつも通りの生活を送っていると、なんだか今朝のことはもしかしたら夢だったのではないか、と思い始めたのだ。
でもちゃんと魚は買ってきた。あの爪でひっかかれたらたまらない。
そんなこと考えてる時点で夢オチはただの現実逃避だってことくらい分かってるよ!でも、ちょっと動揺くらいするでしょ?!
そろそろってリビングの扉を開くと、猫は、俺が昨日用意したタオルケットにまるまって寝てた。猫用につくった簡易な俺特性ベッドは人間用じゃない。いろいろクッションからはみだしてる。覗いている肩口がぷるっと震えたのに気づいた。
そうだ、こいつ裸のままだった。
猫をゆすってみる。
「おい、猫、起きろ。風邪ひく・・・」
ふ、と目を開くと、猫の独特の細いひとみが、俺を捉えた。
「・・・・。さかな。」
どこまで食いしん坊な猫なんだ。軽く頭をなでると、嫌そうな顔しながらも、目をとじる。
・・・・・・・猫だ。
改めてこいつ猫だ、と再確認して、俺は猫からはなれてキッチンではなくクローゼットへと向かった。
その後をむすっとしたままついてくる猫。
俺がクローゼットを探ると、隣に座ってじっとしてる。
な、なんでついてくるんだ・・・・?
しっぽが揺れて、俺の足に絡まってきた。
・・・・うーん。
ちょっと下にしゃがんだ猫を気にしつつ、サイズの小さい服を探す。あとパンツ。
あったあった。
一個小さくなって捨てようとしていた長袖のTシャツとハーフパンツ。まだ春先だし、半袖はちょっと寒いだろ。あと、パンツ。未使用のパンツを一個見つけ出すと猫の目線までしゃがんだ。
「っおし、猫。着替えるぞ。」
「・・・きがえ?」
俺が近寄ると顔は仏頂面のままだけど、耳がピンとたった。結構でけーな耳。
「そう、着替え、な。手あげて。」
そういうと頭に?マークを出しながらおずおずと手をあげる。そこにシャツの手の部分を通して、頭に服をくぐらせようとすると、暴れた。
「はっな!せ!」
「なんっでだよっ!!さみーだろ。ほら物騒なものしまいなさい。」
またじゃきっと出された物騒な爪に言う。
「い、や、だ・・!!!!」
「ちょ!!いってえつの!!おい!」
俺の腕に爪をたてて、暴れる暴れる。俺の腕が傷だらけになってゆく・・・・あー・・・・もう お婿にいけない・・・!!!
なんとか上半身に服をきせることに成功した。結構小さいのを選んだはずだったけど、猫にはまだでかかったかもしれない。袖が若干でかいし、ケツあたりまで隠れる。
続いてパンツを履かせようとしたら臨戦態勢をとられてしまった。猫の状態なら逆毛がたってるであろう体勢だ。
ま、いっか。とりあえず隠すべき場所はシャツがでかくて隠れてしまっているし。今日はこれでいい。
諦めて立ち上がると猫はぴくっと反応してしっぽをピンとたてた。
「いいよ、今日は、な。うし、魚食うべー。」
「さかな!」
ちょっとるんるんな感じで先頭をあるいてキッチンに向かう猫。
単純か!
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