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ハハサマ
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魚を食べてご満悦なのか、クッションの上でごろんごろんと背中を擦り付けてる。
……だからでかくなったままじゃ、クッションからはみでるっつの。ていうかシャツ捲れる、つの。見えるだろ、色々と・・
「猫。」
呼ぶと狐目にしてたでかい目を開いてこっちをみた。
「おまえ、なんで人化するか知ってる?」
「おれのハハサマが、すごいネコだって、きいてる」
ハハサマ?って母様?
母猫がすごい猫だったからその子供の猫も、遺伝かなんかですごい力がつかえて人化できるようになったってこと?
……そんなことってあるの?
「……そうか……その人化は、自分の意思で変えられるの?」
そう言うと猫は本物の猫にポンと戻った。こんな身軽に変身できちゃうんだ……
そしたらまたポンて少し煙がでて、また人化した。
「ふつうは、 じぶんでかえられるけど、おれはまだこどもだから。きをぬくと、ひとになってるときがある。」
なるほどね。だから猫が寝た後、人になってたんだ。
寝てるときなんて一番無防備になるもんな。
「人型になってる方が楽なの?」
2、3回瞬きをした後、こくんとうなずいた。
「あ、なあ、キャットフードすき?」
叔父が余ったキャットフードを置いていったことを思い出した。
「いまは、まずい」
嫌そうな顔をしながら顔を背ける。いま?人型のときは美味しくないってことだろうか。味覚まで人間になるのかな、それはもうただの、人間と同じだ。
人型の時の猫はほぼ人間と一緒ってことだろう。
肉球はあるのか、舌はざらざらしているのか、しっぽはどこから生えてるのか、猫耳のほかに、人間の耳はあるのか。
次々にわき上がる疑問を解決したくて猫を転がして、色々体をまさぐる。
ぐあっと牙が口から覗いて、
がぷっっ
指を本気で噛まれた。
~~~~~~っっっっ!!!!!!!!いってえええええええええええええ!!!!!!!!!!!!!!!指をぷるぷるさせながら震えると、ふん、と鼻を鳴らしてタオルケットの中に潜った。
ったく、ケツ隠れてねーし。頭隠して尻隠さずってこのことか。
隠れた気でいる猫の頭をタオル越しに撫でてやると、フシャアアアアアア!!っ声が聞こえた。
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