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お風呂(3)
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全裸になった俺をしげしげと眺める猫。
「……なんだよ……」
そのまましっぽと手でぺたぺたっと俺に触れてくる。
……くすぐってえ
「ほら、そこのイス座って。」
風呂のイスも、もうひとつ買わねーと。
風呂場の鏡に向き合わせるように座らせたのに、またクルンとこっちに向き直った。
「なーんでこっち向くんだよ、洗いずらいだろー」
フイッてそっぽ向く。
……聞けよ!
「もー、・・・・ま、いっか。頭洗うからなー」
少しぬるくしたお湯を徐々に頭にかけていく。
ジャーと本格的に頭にシャワーをぶっかけると
頭をプルプルと降り始めた
「ぶっ!!!おい!頭ふんな!」
「みみ!いやだ!」
……耳ぃ……?毛に覆われた猫耳を手でむんず、とつかむとピクピク動いて、体を縮こませた。
「耳、きらいか?」
「っ・・・ぞわぞわ、する」
……はーん
手でさわさわといじると、ビクビクと震えた。
はは、おもしれ。くすぐったいのか。
またシャワーを出して耳にあててみる。またプルプルと頭をふって体をよじった。
一旦シャワーを止めて、シャンプーを1プッシュ。
手で軽く泡立てると猫の頭を洗い始める。
耳の中に入らないように気をつけながら洗うけど、耳だけ執拗に触る。
ふっふっふ。散々ひっかかれた仕返しだこのやろー!
さわさわ。くりくり。
面白いくらいに体が跳ねる。猫相手に大人げない?俺のたまの肌を傷つけるからこうなるんだ!!!はっはー!!
一通りこね終えて、満足してシャンプーを流していく。
シャワーを止めると、俯いている猫。
「どうした、目にはいっちゃったか?」
姿勢を低くして顔をのぞき込むと。見えた牙。
・・・え。え・・・・だっ!!!!いてええよもう!!肩に噛みついてきた猫を引っぺがす。なによもー。吸血鬼かお前はもー!!
猫を持ち上げながらヒリヒリする肩を見てると、水が降ってくる。ふと上を見上げると、猫はでかい目からボロボロ涙をこぼしてた。
・・・・・・・・・・。
・・・へ?!泣いてる!!!
上から聞こえるうなり声。しかも怒ってらっしゃる!!!
「ど、どうしたんだよ」
「ぞわぞわする、っていった」
しつこく耳をいじられたことに怒ってるらしい。お前だって俺の体を傷だらけにしただろーが!おい!でも、そんな泣かれたら・・おま・・・・。・・・ちょっと反省しなくてはならないようだ。
「だー!もう、分かったよ。ごめん。な?だから、泣き止めよ・・」
下から見上げるそのちっさい顔は眉間に皺を寄せていたけど、だんだんとそれが緩んでいく。にしても本当に目。でかいな。ビー玉みたいだ。涙の滴が光を反射してキラキラして見える。
抱き上げた猫を少し引き寄せて顔に近づけると、思わず目尻にたまってる涙をぺろって舐めた。
びくって猫が動いて目を見開く。おいおい、そんなことしたら目が落ちてきちゃいそうなんだけど・・・
「なんだ」
「・・・・え?いや、お前が泣いてたから」
「ないたら、なめるのか」
「え?いやいや!そういうわけじゃ・・・ないけど・・」
じゃあ何だと言わんばかりにじっと見つめてくるから
「・・・・いや、うん。そうだよ。泣いたら、舐めるんだ。」
「ないたら、なめる・・」
何かよく分からないことを学習させてしまった。
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