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お風呂(4)
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続いて体を洗ってやろうと思ったら、不満そうな顔をしてきた。
「なんだよ」
「やる」
なにを・・・って思ったら、猫はシャワーの温度調節のノズルをぐいぃって回した。・・・・・・は?何してんのこの子。
ぼけっと見てたらシャワーをのぞき込んでじっとみてる。・・・・・・・・もしや・・
またノズルの方を振り返って、今度はシャワーの量の調節するノズルをずるをぐぃいいって回した。すごい勢いでシャワーから吹き出る、水。さっき温度調節のノズルを回したせいで極限まで冷えた、水。それが最大出量でシャワーの向いてる方。すなわち俺の顔面に直撃した。
「ぶっっは!!つんめてええ!!ばっ!!おい!!シャワー止めろ・・!!!」
あまりの水の勢いで驚いて手を離してしまったのか、支えを失った最大出量のシャワーは暴れて、持ち手の方の猫の頭にゴンっとぶつかり、下に落ちてそのまま地面で暴れ続けている。
俺は急いでシャワーを止めた。
俺の目の前には痛かったのか頭を両手で押さえてる猫。
猫の目の前には冷水がぶっかかり鳥肌をたてている俺。
・・・・・・・・。目が合う。
ぷっ。
俺が吹き出したら猫もくすくすと笑い出した。
そこからお互い肩を震わせて大笑いした後、とりあえず寒すぎて風呂に浸かることにした。一気に極寒の世界になった風呂。
「おまえなー!やり方分からないなら聞けよなー!!立派なお口があるんだ・か・ら」
言いながら猫の口をイッーってひっぱった。
「かんたんそう、だったから」
負けじと猫も俺の口をひっぱる。
二人でまぬけな顔して見つめ合って、また笑った。
何してんだっけ、俺。猫と風呂に入って言葉を交わして笑い合って。意味が分からないけど。今していることはそういうことだ。こいつ、まじでただの人間と変わんねーよ!猫と言うより子供を一人預かっただけだよな、これ。
しっぽで湯船を叩いて飛んだ滴で遊ぶ猫。なにしてんだ、全く。
その姿が無邪気で、ちょっと可愛い。
それを見ながら手で水鉄砲を作る。発射された水は見事猫の顔にクリーンヒットした。
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