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ココロチラリ その後 #15
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「これ以上いるとふやけちゃうね……。」
修君がおいらの手を、自分の手の平の上に乗せて言う。
修君に、後ろから抱きしめられるように湯に浸かっているおいらは、
斜め後ろに向かってフフッと笑う。
「もうふやけてるか。」
修君もおいらを見ると、チュッと小さくキスして笑う。
おいら達は求められるだけ求め、満たしつくした。
修君は、何度もおいらの中に吐き出してくれた。
いつもは1回。多くて2回。
おいらは何度もイカされるのに、修君はいつもそれで済ます。
「どうして、いつもは1回なの?我慢……してる?」
修君の右手の中指を弄りながら言う。
「それは……智が大変だから……。」
修君もおいらが指を弄るのを見て、左手でおいらの薬指の爪を撫でる。
「じゃ、ゴム……付ける?」
「それは嫌。智を生で味わいたい……。」
修君の長い指から、手の平に指を這わせる。
「ふふふ。くすぐったい……。」
パチャンっ。
修君が指を弾いて手の平を隠す。
「でも、付けたら何度でもできるよ?それに……。」
修君の握られた右手を両手で包み込む。
「それに?」
包み込んだ手の甲に唇を当てる。
「……シーツが…汚れなくなる。」
「あはは。そこ?」
「洗濯、大変なんだよ?ほとんど毎日シーツ洗ってるんだから。」
「ごめんごめん。俺も洗濯手伝うから。」
修君は笑いを押し殺しながら、右手を開いておいらの頬を撫でる。
「いいよ……そんなの。……おいらも…したいし……。」
「ん?なんて言ったの?」
修君がおいらの顎を握って、後ろに向ける。
「なんでもない。」
「なんでもなくないでしょ?大事なこと言ったよ?」
「……ちゃんと聞こえてるじゃん。……知らないっ!」
おいらが顔を振って修君の手を振り払うと、修君がおいらを両手で抱きしめる。
「ごめん……。怒った?」
「怒った。」
「怒った顔……見せて。」
修君が、おいらの肩から顔を出して覗き込む。
「いや。見せてあげない。」
修君の唇がおいらの頬に触れる。
おいらはめいっぱい顔を背ける。
「見せてよ。」
修君は素早く、反対の肩から顔を出し、おいらの唇にキスする。
おいらが逃げると、両手で体を抱きしめる。
「怒った顔も、やっぱり可愛い。」
「可愛くなんか……。おいら男だし。」
「可愛いよ。可愛くて、綺麗で、カッコよくて、セクシーで、
強くて、爽やかで、エロくて、美しくて……。」
言いながら、修君はおいらの耳に唇を寄せていく。
「それ、まだ続くの?」
「いくらでも続けられるよ。智の形容詞なんてどんどん出てくる。」
「……ほんと、修君は口が上手い……。女の子にもモテモテだったもんね。」
修君がおいらをちょっと離して顔を見る。
「俺、女口説いたこと、一度もないから。」
「え?男はあるの?」
「ないわ!智以外、欲しいと思ったこと一度もない。」
修君の目が意外に真剣で、おいらはちょっと嬉しくなる。
「だから……今日の…智を抱きしめた人の気持ちもよくわかる……。」
「……田村さん?」
「うん。」
修君はまた、おいらを抱きしめて耳元で囁く。
「こんなに素敵な智がみんなに好かれないわけない。
昔からモテモテなのは智だよ。男も女も若いのも年寄りも。
みんな智に釘付けだよ。俺がどれだけヤキモキしてたか……。」
「そんなことないよ。」
おいらは修君の腕に手を添えて、グッと握る。
「そうなんだよ。智に知られないように、どれだけ握り潰したか。」
おいらは首を回して、修君の頬に唇を当てる。
「だから今、本当に怖いくらい幸せなんだ。」
修君は顔を動かして、おいらの頬に頬を当てる。
「修君……。」
修君もおいらと一緒。
幸せだから怖くなる。不安になる。
幸せすぎて……。
「本当はね、智の中から全部抜き出して、俺だけにしたいんだよ。
友達も、仕事も、過去の全部を俺で塗り替えたい。そんな独占欲の塊なんだ……。
でもそんなことできないし、できたとしても智が智でなくなってしまう。
わかってるんだ……。だから、俺で埋め尽くしたくなる……毎日、毎晩……。
俺で染め上げたくなる。」
修君がギュウっとおいらを抱きしめる。
重なった頬もギュウっと押し付けられて、おいらが修君と混ざっていくような
不思議な感覚が、おいらを支配する。
この洞窟のせい?それともエメラルドグリーンの光のせい?
「修君……おいらも一緒。修君を誰にも見せたくない。
知ってるでしょ?おいらがヤキモチ焼きなの……。
だから、毎日、毎晩おいらを満たして。おいらの体は修君しか知らない。
修君だけのものだよ。心も一緒。おいらは修君しか知らないんだ。」
おいらは胸の前で組まれた修君の腕を解き、後ろを向く。
修君の頬を両手で包み、唇を合わせる。
「ベッドに……行こ?」
おいらの言葉を聞いて、修君はびっくりした顔をしたけど、クスリと笑った。
「うん。」
「ゴム……試してみる?」
おいらが笑うと、修君も笑いながらおいらの髪を撫で、おいらごと立ち上がる。
「ひゃっ……。」
おいらは修君に抱きつく。
「転んじゃうから、下ろして。」
「ダメ。本当は歩くの辛いでしょ?無理しなくていいから。」
修君はゆっくりとバスルームを出て行く。
「大丈夫だよ……立てる。」
「ベッドでゆっくりしよ。今日は……シーツも汚れてないしね?」
修君が片目をつぶる。
おいらは、フフッと声に出して笑った。
修君が2枚分のバスローブを掴んでベッドへ向かう。
「あ、俺、来週出張入るかも。」
「え……長いの?」
「いや、2泊だと思うけど……。」
「寂しいな…。……行かない…で…。」
おいらはちょっと甘えてみる。
「わかった。行かない。」
修君が即答したのにびっくりして、おいらは目をパチクリする。
「え?修君、そういうわけにはいかないでしょ?」
「なんとかする。」
「ダメ。出張行って!」
「大丈夫。後輩とかに無理矢理……。」
「だから、ダメ!マイホームなんでしょ?」
「そうだけど……。」
「仕事なんだよ?」
「仕事より智が大事!」
修君がニッコリ笑って言い切るのがおかしくて、
おいらは笑いながら修君の胸を叩く。
うふふ。今日もおいらは幸せです。
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