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ココロチラリ 田舎編 #17
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お昼を食べて、それぞれ別々に行動する。
おいらと修君は、東側のすべての部屋を調べ終わると、
今度は南側、玄関付近を調べることにした。
「修君、秘密の部屋……どう思う?」
廊下を歩きながら、修君に聞くと、修君は、う~んと唸って、
手で顎をさする。
「いつ作られたかだよな……。」
「古そうだけど、江戸時代とかではなさそうだよ?」
おいらは修君を見上げる。
「昭和に入ってから手を入れたのかもしれない……。
最初は炭鉱みたいに掘っただけで。
それこそ……お仕置きの為の座敷牢とか……。」
修君は言葉を選ぶように、ゆっくりと話す。
「でも、結構深かったよ?」
「戦時中ならシェルター……防空壕という可能性も……。」
顎をさする手が唇を撫でる。
「……トマト…。」
おいらはトマトを齧った修君を思い出す。
厚みのある赤い唇が、グジュッと赤い実を齧る……。
おいらは頭を振って、頭の中の映像を掻き消す。
ダメダメ。今はいろいろ考えなきゃいけないんだから!
「何?……トマト?」
修君が首を傾げて、おいらを見てる。
おいらは慌てて言い訳を考える。
「え……や……あの……おいらも、トマト食べたかったなと思って。」
おいらは強引に笑う。
すると、修君はプイッとそっぽを向いて、小さな声でつぶやく。
「……智がトマトなんか食べたら……。」
「何?修君?」
おいらは修君の顔を覗き込む。
「……なんでもない。」
修君は顔を背けたまま、玄関脇の応接間に入っていく。
「修君……。」
応接間はほとんど使われていないのか、カーテンが閉まっていて薄暗い。
修君が電気を点けると、中央の革張りのソファーセットが目に飛び込んでくる。
手入れがちゃんとされているせいか、テカッと光ってる。
壁には筆で書かれた「和」の文字。
「なんか……えらい人の事務所みたい?」
「そうだね……。隣町の町長さんとか、議員さんとかも来るみたいだから……。」
修君はソファーの後ろに回りこみ、丹念に調べ始める。
おいらも「和」の額の後ろを見たり、しゃがみ込んでテーブルの下を確認したり……。
でも、何も出てこない。
「ここには何もないね。」
おいらが立ち上がって振り向くと、すぐ後ろに修君が立っていた。
「修君?」
修君はおいらをじっと見て、首筋に手を添える。
「なんでトマト食べちゃいけないか、教えてあげようか。」
修君の目がちょっと怖い。
「しゅ、修君……。」
おいらは後ずさってつまずき、ソファーの上に倒れこむ。
「わっ……。」
それと同時に修君がおいらの上に覆いかぶさってくる。
「修君……ダメだよ……誰か来たら……。」
おいらの言葉が終わんないうちに、修君の唇がおいらの唇を塞ぐ。
「んっ……しゅ……んんっ……あんっ……。」
修君のあったかくって柔らかい唇が、おいらの唇にめいっぱい押し付けられる。
力強く入り込んでくる舌は、暴れん坊みたいに動き回る。
それが、歯列の根元を撫で始めると、おいらの胸の辺りが、きゅんと疼いて、
ダメだってわかってるのに、腕を回して抱きしめてしまう。
徐々に修君の舌の動きが優しくなって、おいらの舌を絡めていく。
「あん……修……く……んっ……くっ……。」
唾液の交わる音……。
修君の匂い……。
おいらの鼓動……。
修君の唇が、おいらの唇を甘く噛み、舌先でくすぐるように撫でる。
「はぁ…んっ……しゅ……。」
おいらは修君の唇に吸い付いた。
一頻(ひとしき)り唇を交わすと、修君が少し離れる。
「智がトマト食べると……みんなこうしたくなっちゃうでしょ?」
「そんなことないよ……。」
修君の食べ方が色っぽいって修君知らないの?
「おいらより、修君の方が……。」
「何?俺が食べるの見て、したくなった?」
修君が笑いながら、おいらの髪を撫でる。
「…………。」
おいらは答えずにそっぽを向く。
「したくなったんだ。」
修君の、髪を撫でてる指が、おいらの頬をスルッと撫でる。
「俺もしたいよ。」
修君が、おいらの頬にチュッとする。
「したいけど……していい?」
修君がイケめた顔で笑う。
「ダメだよ。ここじゃ……。」
「じゃあさ、このままバックレて、どっか場所見つけて……。」
「修君!」
修君の指先が、おいらの顔をくすぐっていく。
「ははは、わかってるよ。だから、早く終わらせて家に帰ろう?
俺、欲求不満で倒れちゃうよ。」
「……ばか。」
おいらがちょっと睨んで見せると、修君はまた、おいらの唇にチュッと唇を当てる。
「さ、行かないとカズに怒られる。」
修君がおいらの上から起き上がる。
「うん……。」
修君、おいらもだよ。
おいらも欲求不満で気が狂っちゃうよ。
修君がおいらに手を伸ばす。
おいらはそれを掴んで、力を込めて立ち上がる。
修君が勢いよく起き上がったおいらを抱きしめる。
「じゃ、ここまで来たから外の納戸も見ておこうか?」
「修君……。」
「何?」
修君の低い、優しい声。
「……これじゃ、歩けないよ。」
「どうして?」
修君は、おいらを抱きしめてることに気づかない振りして笑ってる。
「修君!」
おいらは困って修君を見上げる。
修君は笑いながら、ゆっくり腕を解く。
そして、おいらの手を掴んで応接間のドアを開ける。
「本当にカズに怒られちゃうな。」
おいら達は玄関から外に出て、納戸に向かった。
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