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担当事件2 解決編
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それから山本から聞かされた話は、信じられないものだった。
花谷が行方不明になる少し前、山本は突然、穂波に別れを告げられ、穂波の意思を優先。
寂しさを埋めるためにゲイバーに顔を出したのがこの頃らしい。
穂波はそのあとから花谷に拘束され、仕事以外は毎日玩具で犯される日々を送っていたらしい。
山本は事件の2週間前、穂波が花谷と婚約していたことを知り、激怒。本社に乗り込んだ。
穂波は"ごめん、文也"としか言わず、荒れた山本はゲイ風俗を片っ端から渡り歩くことに。
俺たちはその情報を手に入れていたというわけ。
それから事件の3日前、穂波の職場の人間が、穂波と連絡がつかない、と山本に連絡してきた。
この時穂波は完全に監禁され、仕事にも行けなくなっていたそう。
山本はおかしい、と思い穂波の元婚約者を調べたが、めぼしい情報はつかめず。
とうとう事件の日、穂波が山本に連絡をしてきた。
助けてほしい。
そう言われた山本は花谷が穂波を監禁していた部屋に向かったが、そこに穂波はおらず、花谷の死体のみがあった。
直感的に穂波の犯行だと思った山本は、死体を切って遺棄。その後穂波を探したそうだ。
「穂波はどこにいたんですか?」
「…陵は、死にました。俺が隠していたから、警察は知らないかもしれませんけど」
俺の問いに、山本はそう答えた。
俺と瑠夏は固まった。
「3日間の監禁で、衰弱していた彼は、俺の家の屋上から、落ちたんです」
きっと、穂波は、花谷の家にいられなくなって、山本の家に行ったんだろう。
山本は当然そこにはおらず、鍵も開いていない。
時間を潰すために登った屋上。
そこから…
「…俺が、気づかなかったから…陵の異変に…気づかなかったせいだ…」
山本は初めて弱々しい声を出した。
こいつも、円城寺さんと同じで、自分より、穂波が大切だったんだろう。
俺には、それがわからない。
「花谷の死体なんか放っておいて、陵を先に見つけ出せばよかった…陵が刑務所に入ったとしても…俺が待っていればよかったのに…」
山本はボロボロと涙をこぼした。
「…陵を…愛してたのに…俺は…愛する人すら…守れなかった……」
愛。
やっぱり俺には、わからない。
でも。
「穂波は…あなたのこと、待ってますよ」
「え…?」
「穂波はあなたのこと、待ってます。あなたが、罪を償って、また、会いに来てくれるのを、きっと、待ってます」
俺はなぜか、そう言っていた。
なんでだろう。
「っ…陵…ごめん…ごめんな…」
取調室で謝り続ける山本を1人にして、俺と瑠夏は取調室を後にした。
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