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プライドvsプライド -4
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「で、この公式を使うと…。
ほら、分かったか?」
止まることなくペンを走らせて
達は教師よりも明快な説明をした。
「…なるほど」
手を顎に当ててじっくり思考する。
なんとなく分かってきたが完璧に習得
したかと言われると、微妙。
そして何よりも達に教えられたこの状況に
納得していない自分がまだいた。
「…んー、微妙に分かってねぇなその顔」
気が付けば達は俺の顔を覗き込んでいた。
先ほどとは違って正面から見つめるその顔は
やはり綺麗だ。女子なら瞬殺だろう。
「その分かり切った様な素振り腹立つ」
「あっそ。お前頭かったいなぁほんと」
コツコツと俺の頭を叩く達。
気安く触んじゃねえ、俺だって触れたいのに。
「あ?お前の説明が悪いだけ」
「世界で一番分かりやすいと思うんだけどなあ」
「自惚れんなバカ」
「自惚れていいぐらい素晴らしいじゃん俺?」
「せいぜい俺の次ぐらいにな」
「そういうお前は俺より物理できてねえけど
これはどういうことっすか〜?」
小学生みたいな煽り合いに思わず口角が
上がる。これが仲良いが故のものなら
どれだけ幸せだろう。
「おいそこ、ずっと喋ってるけど、
答えは出たのか?どっちかが答えろ」
貶し合いに夢中になっていたが、
気が付けばクラス中の視線が集まっていた。
女子からの黄色い視線の意味を
翻訳するとすれば…、
”やばい、あの二人が話してる!
まじやばい!!!死ねる!!!”
といったところか?
もちろん答えに自信なんてないので慌てて
達の方を見る。
こっちを見て勝ち誇ったような笑みと、
全力のウィンク。
拳が上がりそうになったが何とか抑えた。
…こうなったら意地でも正解してやる。
俺は立ち上がってプリントを食い入るように
見つめた。
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