アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
プライドvsプライド -10
-
《駆》
目が覚めるとベッドの上だった。
風呂で何度もイってしまって、
それからの記憶がほとんどない。
枕元の時計に目をやる。
7時10分。
そろそろ起きて準備しねぇと…。
部屋を出て2回の廊下の手すりから、
吹き抜けになっている1階を覗く。
誰もいない、兄はもう出たようだ。
あ、そうそう。実は俺には兄がいる。
なかなか曲者なんだが…、
また後々紹介する。
階段を降りてダイニングまで行くと、
机の上にはご丁寧に朝食のホットケーキと
メモが用意されていた。
「なんだこれ…」
椅子を引いて腰をかけながら、
メモを手にとる。
”性処理を風呂でやるな
固まって大変だった。
罰として今日ヤらせろ”
読んだ瞬間血が引いて行くのを感じた。
変態ブラコンホモ野郎の兄に
風呂場で精液を撒き散らして寝ているのを
見られてしまった…。
「…最悪」
俺はメモをクシャクシャに握り締めて
ゴミ箱に投げ捨てれば、
そそくさと朝食を食べ終えて鞄を持った。
付けっ放しにしていたテレビでは
占いが放送されている。
”今日最下位なのは…ごめんなさい、
しし座のあなたです。
うっかりドジをしてしまうかも!
ラッキーアイテムは、お菓子!”
…占いなんて良い時だけ信じてれば良いんだ。
今日は良い日だ、良い日。
俺が決めたんだから良い日以外はなし。
そんなふうに念じながら
結果を忘れるように素早くテレビを消して
俺は玄関へ向かう。
玄関脇に、飴か何かの箱が置いてあるのが
目に入った。丁度良いから持って行こう。
まさにラッキーアイテムだ。
そうして少し機嫌を戻した俺は
ドアを開けて、鼻歌を歌いながら外へ出た。
その時俺は、それがラッキーアイテムでも
何でもないことを知る由もなかった。
”極薄!0.01mm!”
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
26 / 57