アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
3
-
。。。
亜樹の家に戻ると、亜樹は目をこすりながらリビングまで降りてきた。
「亜樹、遅いぞ」
「臨が早いんだよ…」
気だるげにそう言い、亜樹はダイニングの椅子に腰かけた。パジャマの襟口からうっすらと黒い痣がいくつもできているのが見えた。
「こーら、臨くんは毎朝こうやってお前のこと迎えにきてくれてるんだぞ。ありがたく思いなさい。なんで亜樹は臨くんみたいになれないのかね」
亜樹のお父さんはそう言って笑いながら亜樹の頭を軽く叩いた。亜樹も笑っている。普通の家族の風景だ。
「はい、トーストとスクランブルエッグとベーコン。あぁ、臨くんはオレンジジュースと牛乳どっちがいい?」
「あ、じゃあオレンジジュースで。ありがとうございます。」
「はい。亜樹はどうする?」
「え?あぁ、俺は水でいいや。喉、まだ気持ち悪くて…」
亜樹はそう言いかけると、急にはっとしたような表情になり口をつぐんだ。亜樹のお父さんは笑顔のまま亜樹を見ている。
「…体調でも悪いのか?」
僕が聞くと、亜樹は目を合わせずに頷いた。
「そうそう、なんか昨日気持ち悪くてしょうがなくてさ。風邪かな?」
「亜樹は夕飯食べすぎなんだよ。昨日、父さんの分の生姜焼きまで食べるんだから、全く」
呆れたようにそういう亜樹のお父さんの顔色を伺いながら、亜樹も「ほら俺、育ち盛りだからさ」と話を無理やり合わせていた。
明らかにおかしい。今まで気づけなかったけど、中学に上がってからこの2人の言動の端から端までが全ておかしいんだと気づいた。
亜樹は首筋の痣をさすりながら青い顔をしている。
僕は「亜樹は全くしょうがないな」と言いトーストにかじりついた。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
6 / 26