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お父さん 亜樹side
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《亜樹side》
父さんが公園を挟んですぐ隣の道路に路駐していることはわかっていた。車からこちらの様子をのぞいていたことも、公園に入るときに気づいた。
「亜樹…、僕ふざけてあんなことしたんじゃないんだ。でも止まらなくて……、気持ち悪いかもしれないんだけど、その、僕はずっと亜樹のこと」
だめだ臨。その先を言っちゃ、だめ。
俺は臨にキスをした。ごめん、とも言った。
臨が俺を好きなことも、俺が臨のことを好きなことも絶対にお互いに伝えてはいけないんだ。俺は臨を好きになっちゃいけない。臨も俺を好きになっちゃいけないんだ。
それは男同士だからとか親友だからとかそんな簡単な理由じゃなくて、とにかくだめなんだ。
臨の俺への告白をさせちゃいけない。それでも俺は父さんの目の前で臨にキスした。
公園を出ると、案の定父さんは車から顔を出した。父さんは何も言わず顎をくいっと車にやる合図をすると、運転席に向き直った。
「…ただいま、父さん」
車に乗り込むと父さんは無言のまま家まで車を走らせた。帰りたくない、震える足を掌で押し付ける。怖い。俺は父さんが死ぬほど怖い。
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