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そして今…
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…ということがあったのだ。
俺は、1年の片想いの末にやっと山村之人を手に入れた。
思い出すだけでも、あの頃の喜びが湧き上がる。
「ねぇ、征次郎さん。本当に行くの? 大丈夫かな? 俺心配なんだけど…。」
「行くしかないだろう。 大丈夫だ。之人。
たとえなんと言われようと、俺はお前と一緒にいると誓う。」
最初の頃に窮地に立たされていると言った。
そう、俺は今 両親に会おうとしている。
之人を紹介するつもりでいるのだ。
之人の両親は、俺を快く迎え入れてくれた。
之人を俺に託してくれた。
しかし、俺の両親はそうはいかなかった。
今日 会わせたい人がいると電話で両親には伝えた。
きっと両親は勘付いているのだろう。
俺が連れてくるのは、女性ではないと。
どんな見合いも断り、外出するといえば之人と一緒だったのだ。
電話でもわかる明らかに不機嫌な声に俺は一抹の不安を感じた。
両親が、俺に跡取りを産んでもらおうと思っていたことはもちろん知っている。
長男だし、その責任があるのは当然だ。
この反応も当たり前なのだろう。
そもそも両親は男が男を連れてくることに反対なのかもしれない。 跡取りなどは関係なく。
なかなかにお堅い考えをお持ちになった両親なのだ。
「…よし。そろそろ出発するか。
之人、これからお前には辛い思いをさせてしまうかもしれない。
だが、俺にはお前しかいないんだ。
どうか俺を信じてついてきてほしい。」
「…うん。 俺は征次郎さんを信じてる。
不安だったけど、征次郎さんの今の言葉を聞いて大丈夫だなって思った。
だから俺のことは気にしないで。 親御さんとちゃんと向き合って。 征次郎さん。俺、征次郎さんのこと大好きだから…っ …っんぁ、 せ、じろ…さん?」
「悪い。 あまりにもお前が可愛くて。…行くか。」
…信じてるとか愛してるとか、なんなんだこいつは。 愛おしすぎる。 いきなりこんなこと言う之人に我慢がきかなくなって、之人の口内を舌で堪能してしまった。
「せ、征次郎さんっ! …もぉ、馬鹿、、っ。」
あからさまに慌てて顔を真っ赤にしている之人。之人の顔を見ていると、不安な気持ちが心なしか落ち着いた気がする。
さぁ、でかけよう。 俺は両親と戦う。そして、認めてもらう。 たとえ認めてもらえなくても之人を手放す気はさらさらないけどな。
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