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奇跡
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カラオケの自動ドアが開くと…
「いっらっしゃいませ!」
カウンターから明るい声がした。 アイツの声だ。
之人の声なんて俺は覚えてないけど、なんだかこの声聞いて懐かしいと思った。 似ているのかもしれないな。
「…っ! あっ! お前!」
横で声をあげたのは、綾人だった。
「…えっ?お前あいつ知ってるのかよっ⁉︎」
まさかあんな子がこんなチャラチャラしたやつと知り合いだなんてありえねぇ。
人のこと言えねぇけど。
「え?お前しらねぇのかよ! 最近転校してきた、噂の美少年 綾川珀 だよ!」
「あー、そういえば、噂立ってたな。 全然気にしてなかったわ。 正直どうでもよかったし?」
「えぇー!綾人くん! あの子と同じ学校なのー? メアド知りたいー♪ 」
一緒にいる女の1人が、猫なで声で言った。
まじでうぜぇ。 顔がよければすぐに飛びつく。
女なんて所詮顔がよければ… なんて言ったら怒られるだろうな。
なんであれ、あいつ… 珀は俺のものだ。
まだ知り合って間もねぇのに、アイツが頭から離れねぇ。 やっぱ、前世って関係あんだな。
んなこと、考えてるうちに あいつらは俺をおいてカウンターに行っちまう。
「龍弥ー。早くこねぇとおいてくぞ?」
「うるせっ。今行くよ!」
「いっらっしゃいませ。ご利用時間、機種等はお決まりでしょうか?」
俺は、機種とかそーゆーのどーでもいいからしらねぇけど、綾人がアレコレと珀と話している。
正直俺も話てぇけど、話からねぇ話に入ってかっこ悪りぃとこも見せたくねぇから、見つめるだけにしとく。 我ながら、チキンで気持ち悪りぃわ。
綾人が、伝票みてぇなのをもらって部屋に行くのに気がついて俺も慌ててついて行った。
珀の事もっと見てたかったなんて言ったら嫌われちまうかな?
俺らはじゃんけんで順番を決めて、歌っていく。
誰かが歌ってる時も自分が歌ってる時もアイツのことで頭がいっぱいだ。
「きゃー、龍弥くん歌上手いっ! かっこいいっ!」
「…さんきゅ。」
「やだ、照れてるのっ? まじで、龍弥くんヤバいっ!」
…まじで、こいつらうぜぇ。 普段ならもう少し嬉しいんだろーけど。。 アイツに会ってから、
とりあえず自分に対する行為がうぜぇ。
正直、珀に色目使いかけてたことがかなりうぜぇ。
あー、もう何もかもうぜぇ。 これはやべぇな。
俺、こんな嫉妬深かったかな。 別に付き合ってるわけでもねぇのに。ストーカーみてぇ…。
いっちょ声かけて見るか…。
「おい、綾人。 わりぃ。 ちょっとトイレ行って来るわ。」
「おう、早く帰って来いよー? じゃねぇーと、この子たちとヤることヤっちゃうかも…!」
「うるせぇよ。 勝手にヤってろ。 お前なんて、早くて満足できないって言われて終わりだろ!」
「う、うるせぇーな! 別に早漏じゃねぇよっ⁉︎」
「冗談だって!笑 わりぃ、ちょっと行って来るわ。」
そう行って俺は、部屋から出た。
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