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新事実。
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「はぁ…。」
やっとHRが終わり、帰りの支度を始める。
「んー?どうしたんだよ、龍弥ー。 もしかして俺だけ放課後デート… 羨ましいの? ねぇ、羨ましいの?」
「あぁ? うるせぇーよ。勝手にパコってろ。」
「あぁ、やっぱりそーなるよね? 楽しみだなぁ…。 可愛かったしっ。」
俺は、こんなバカな綾人をガン無視する。
あいつはバカだけど優しいやつだから、俺の元気がないことに気がついてああ言ってくれたんだろうとは思うけど… さすがに珀に会いてぇなんて言えねぇわ。 悪いな。
「はぁ…。お前もう行けよ? デートなんだろ?楽しんでな。」
そう告げると嬉しそうに微笑んで、教室を出て行く。
「俺も帰るか…。」
ふと窓から外を眺めると…
「珀っ!」
俺は、教室にいた他の奴らからの刺さる視線を無視して、教室をでた。
ダッシュで下駄箱に行って靴を履き替える。
「…珀っ!!」
「…えっ? …龍弥? どうしたの? びっくりした!」
「あっ、いや特に用はねぇーんだけどっ。 見えたから、声かけよーかな…って?」
「そーなんだ! 嬉しい! ありがとう! 龍弥は今から帰り?」
「おぅ! 珀も帰るんだろ? その… さ? あの…」
「ん?なに?」
「いや…さ。 よかったら…。」
「もぉ、なに? 早く言ってよ!」
「…やっぱ、なんでもねぇわ。 明日学校でな。」
情けねぇ…。 一緒に帰ろうぜってそんだけなのに。 好きな奴には言えねぇなんて… 俺ヘタレにもほどがあんだろ。 嫌われた…かな。
「変な龍弥。 そんな容姿してて、誘うの苦手なの? 一緒に帰ろう? どこ住んでるのか分からないから途中までだけど…さ?」
…ん?今なんて…? 一緒に帰る?俺とあいつが? しかもあいつから誘ってきた?
珀って大人しくて自分の意見とか言えねぇ奴だと思ってた。 やべぇ、今普通にかっこよくて惚れ直したかも。 もともと一目惚れだったから、あいつの中身に触れて惚れたの初めてだわ。
「ねぇ、なんで黙ってるの? 嫌ならいいけど…。」
「…ん? いや、ちげぇんだよ! 珀から誘ってくれるなんて思わなかったから! 帰ろーぜ!」
それから俺たちは、他愛のない話に花を咲かせた。
自分のクラスのことや珀の前の学校での話…
家族の話だってした。
きっと俺だけに話してくれている事… 特別だという気持ちが俺を高ぶらせた。
「てかさ、お前… どこ住んでんの?」
「ん?俺は… そこのマンションだけど?」
「えっ⁉︎ まじかよ? あそこ、高級マンションだろ? 確かお前の父さん、社長だったな…。」
「まぁね…。 そのせいであんな目にあうんだから、いいのか悪いのか…て感じだけど。」
「あっ、悪りぃ…。 そういうつもりじゃなかった。」
「いや、いいよ? 龍弥が助けてくれて、今こうして一緒に居てくれるんだから…。」
あ… その笑顔はやべぇ。 俺の息子がちょっと反応したのに俺は苦笑いを浮かべだ。
「…おぅ。 あっ!! てかさ、俺の家そのマンションの向かいの一軒家なんだけど…⁉︎ 近くね⁉︎」
「えっ! 本当に? すごい偶然だね!!」
「だなっ!!」
ここで、 いや運命だぜ? なんてクセェせりふ
俺には言えなかった… 思ったけどな?
「じゃあ、俺 行くね? また明日、学校で!」
「あっ、ちょっと待て… 明日… いや明日から…
8:00に ここ… な? 待っててやるから。」
「…うん! やっと、龍弥から誘ってくれたね?
俺嬉しい! じゃあ8:00に!」
笑顔で手を振り、オートロックのマンションに入って行く珀。 俺とは全然ちげぇなと思う。
今日一緒に過ごしてみて思ったことは、珀
見かけによらずちょっとSなとこがあるってこと。 あんな優しそうなのに、なんか余裕があって… ますます惚れたとかあいつには言えねぇけど!
やべぇ、今日はまじであいつに惚れ直してばっかだったわ。
ぜってぇ、俺のものにする!
一緒に登校なんて、恋に発展しそうなシチュ…
ゲットしちまったわ。 これはきたんじゃね?
明日からまじで学校楽しみなんだけど!
ニヤニヤしながら、俺は家の鍵を開けた。
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