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ストーカー直前
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表札に菊池と書かれた一軒家のインターホンは鳴らさず、借りていた鍵で家のドアを開けた。
「りっちゃん、入るよー?」
一応、主の名前を呼んで家の中へと入っていく。
リビングは散らかっていて、また散らかしたんだな…なんて思いながら二階へと上り、ある部屋に入る。
そこには誰もおらず、家具だけが置かれていた。
「今日の服は…」
膝をついてからチェストを引き、無難な服を上から下まで選ぶ。
「ふあ…なんだ静稀、もう来てたのか」
「あっ、りっちゃん。時計見て、いつも通りだよ」
あくびをしながら部屋着で入ってきたのは、この家の主であるりっちゃんこと、菊池律(キクチ リツ)だった。
りっちゃんは俺より年上で、数年前からの知り合いだ。
部屋にかけてある時計を見れば、何故か首を傾げるりっちゃん。
「ん、あれ…本当だな。俺の目覚まし時計壊れてたのか…あぶねぇ」
「また壊したの?強く叩くからじゃない?」
「うるせぇ。ったく、しかしまあよくも毎日来るな。そのうちまた何でもやってもらう癖がついちまうぞ拓馬に」
「そうだね」
隣に来たりっちゃんにガシガシと頭を撫でられ、髪の毛がぐちゃぐちゃになる。
俺はそれにあははと笑いながら答えた。
紙袋に畳んだ服を入れ立ち上がる。
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