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1幕 chapter Ⅰ
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side 黎
ふと、目が覚めた。
怠い体をそのままに、視線を窓に向けると
まだ夜明けで。
眠りについてから数時間しか経っていない。
しかし、再び眠りにつくのも起きるのも
億劫で、ただボーッと微睡みの中にいた。
俺は結構この何もしない時間が好きだ。
何となく、落ち着くから。
何も考えなくて、済むから。
いっそ、このまま永遠に眠ってしまえたら。
だけどその時間は、長くは続かない。
すぐにアイツが来るはずだから。
分かっているから、布団を深く被り直す。
コンコンッ
ノックの後、返事も聞かずに扉が
開かれた。遠慮なく。
近づいてくる足音。
「おはようございます、若。
とっくに、お目覚めでしょう?」
聞き慣れた声にわざとらしく囁かれた。
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